2016 Fiscal Year Annual Research Report
Manipulation of orbital magnetic moments probed by x-ray magnetic spectroscopy under external fields
Project/Area Number |
15H03562
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡林 潤 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70361508)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | X線磁気円二色性 / 軌道磁気モーメント / 外場摂動 / スピンオービトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
スピンと軌道を操作することは、スピントロニクスを超えた新たな学術の創出を生み出す。特に、外場摂動の印加による磁化反転や磁気異方性の制御は、スピンと軌道の操作に基づいて低消費電力にて動作するスピンオービトロニクス素子開発において必須の技術である。しかし、なぜ磁性薄膜界面への電圧や圧力などの外場印加により磁気異方性を制御できるか判っておらず、原子レベルでのメカニズムの解明が必要である。そのためには外場印加時の軌道磁気モーメントを詳細に調べる必要がある。そこで本研究では、元素別に軌道磁気モーメントを測定できるX線磁気円二色性(XMCD)に電場や力学的な歪みなどの外場を印加できるシステムの開発を進めてきた。この技術を用いて初めて可能となる、フェルミ準位の変調を用いた非平衡状態のXMCD測定を用い、『電圧印加により界面磁気異方性を制御できるメカニズムを解明すること』を目指した研究を推進している。
誘電体への電圧印加により、界面の格子変調を強磁性体に可逆的に導入することを進めてきた。格子変調時のXMCD計測に成功し、軌道磁気モーメントの変化を捉えることができた。また、XMCDの元素選択的磁化曲線において、面直-面内間の磁気異方性の変化を明確にとらえることができた。これは、軌道磁気モーメントの操作による異方性変化を電圧印加XMCDにより計測できたことになり、理論計算とも一致する結果となった。
誘電体への電圧印加により、界面の格子変調を強磁性体に可逆的に導入することを進めてきた。格子変調時のXMCD計測に成功し、軌道磁気モーメントの変化を捉えることができた。また、XMCDの元素選択的磁化曲線において、面直-面内間の磁気異方性の変化を明確にとらえることができた。これは、軌道磁気モーメントの操作による異方性変化を電圧印加XMCDにより計測できたことになり、理論計算とも一致する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本目的を達成するには、元素別の電子・磁気状態の観測が必要となる。そのためには、放射光を用いた電子分光が有力となる。研究代表者が進めてきたX線吸収分光(XAS), X線磁気円二色性(XMCD)の実験手法を活用し、外場摂動を測定パラメータとした新しい分光法を開発した。2016, 2017年度には、上記の目標達成に向けて、試料作製装置の改良、電圧を印加できるマニピュレータの作製などを進めてきた。その結果、XMCDスペクトルにおける電圧印加による変化を捉えることに成功した。磁性体と非磁性体の界面における新規な物性の理解のための外場印加中の軌道磁気モーメントの精密測定が可能となった。今後、この技術を用いた物性の議論を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
放射光を用いた電子・磁気分光システムの開発を行った。また、外場印加時の測定ができるようにマニピュレータを工夫し、本目的の達成に向けて着々と進んでいる。今後、電圧印加時の電子・磁気分光測定を推進していき、スペクトルの変化を第一原理電子状態計算と比較することで議論を進めて、新し物性の創出を目指していく。
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Research Products
(20 results)