2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代自由電子レーザー用高輝度電子ビーム生成とマイクロバンチ不安定性抑制法の研究
Project/Area Number |
15H03594
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
西森 信行 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (60354908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 道昭 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究副主幹 (10323271)
本田 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (40509783)
宮島 司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (50391769)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光陰極直流電子銃 / 自由電子レーザー / マイクロバンチ不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
X線自由電子レーザー(FEL)開発過程で発見されたマイクロバンチ不安定性を研究する。次世代FEL用高輝度電子バンチを生成し、反転チャープ型バンチ圧縮器を用いた不安定性抑制方法の有効性を実証するのが目的である。平成27年度は次世代FEL用高輝度電子バンチ生成のため、①高電圧光陰極電子銃の改造と②時間幅2ps、300pC以上の電子バンチ生成用レーザーシステム開発を実施した。
①高電圧光陰極電子銃は原子力機構で開発し、2012年に世界初の500kV電子ビーム生成を実証後、KEKのコンパクトERL(cERL)に移設したものである。移設後に10段分割セラミック管の2段に不具合があることが判明し、cERLでは8段390kV運転を余儀なくされている。本研究課題である次世代FEL用高輝度電子バンチ生成には、空間電荷効果抑制のため高電圧化が必要である。そこで2段セラミック管増設による10段運転を計画した。H27年度には、2段セラミック管増設作業、高電圧コンディショニングを実施し、490kVで4時間無放電を達成した。cERLでは450kVビーム生成に成功し、390kVビームと較べてビームエミッタンスが1.5倍程度良くなることを実証した。
②次世代FEL用300pC以上の電子バンチ生成には、8pC用の既存cERL電子銃駆動レーザーでは能力が不足する。そこで、新たなレーザーシステム開発に着手した。H27年度はシステムの設計と前段増幅部の組み立てを行った。エミッタンス測定には10Hzの電子バンチで充分である。システムの熱負荷を避けるために、オシレーター周波数を低めの8MHzに調整した。後段増幅部の組み立てに必要な部品を調達し、次年度のレーザーシステム完成の目処を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マイクロバンチ不安定性を研究するため、次世代FEL用高輝度電子バンチ生成が当面の目標である。そのための電子源として光陰極直流電子銃を開発している。高輝度低エミッタンス実現のための①電子銃高電圧化と、300pC大電荷電子バンチ生成のための②レーザーが必須開発要素である。
①H27年度計画では電子銃高電圧化は含まれていない。電子銃高電圧化は高輝度電子バンチ生成にとって本質的に重要な技術であり、他予算と組み合わせてセラミック管増設を計画した。H27年度進捗状況は、新規増設セラミック管の電子銃へのインストール、548kVまでの高電圧コンディショニング、490kVで4時間無放電保持を実証した。cERLで450kVビーム生成試験に成功し、390kVと較べてエミッタンスが1.5倍程度下がることも確認している。以上の成果は、当初の計画にはない大きな進展である。
②H27年度計画は、パルス幅2ps、300pC以上の電子バンチ生成可能なレーザーシステムを開発することであった。H27年度の進捗状況は、レーザーシステムの設計を終了し、オシレーターと前段増幅部の組み立てを行い、後段増幅部に必要な部品の調達を行った。当初計画では、80MHzのレーザーシステムを開発する予定であったが、電子ビームエミッタンス測定には10Hzで充分であり、熱負荷を減らすためにも低周波数が望ましいことから、8MHzのオシレーターを組み上げた。以上のことから、おおむね順調に進展している。①の成果を加えると、トータルとして計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代FELに必要なバンチ電荷300pC、規格化エミッタンス1mm-mrad以下の高輝度電子バンチを生成することを目的として、電子源開発に取り組む。H27年度までに実施してきた①高電圧化と②レーザー開発をさらに推進し完成させる。
①電子源の高電圧化では、cERL電子銃の550kVまでの高電圧コンディショニングを追加実施し、運転可能な最高電圧性能を調査する。その後、cERL電子銃から500kV電子ビームを生成する。10pC以下の低バンチ電荷において、ソレノイドスキャンエミッタンス測定を実施し、目的とする低エミッタンス性能が得られるか、シミュレーション計算と比較しながら検証する。
②高バンチ電荷(300pC)用レーザーを完成し、KEKのERL用電子銃のレーザー室に移設する。将来的に導入を計画している高バンチ電荷エミッタンス測定用スリットスキャン装置の検討を開始する。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Operational Experience of DC Photoemission Gun at the compact ERL2015
Author(s)
N. Nishimori, R. Nagai, R. Hajima, M. Yamamoto, T. Miyajima, Y. Honda, T. Uchiyama, X. Jin, T. Obina, M. Kuriki
Organizer
The 56th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on Energy Recovery Linacs
Place of Presentation
Stony Brook University, Stony Brook, New York, USA
Year and Date
2015-06-07 – 2015-06-12
Int'l Joint Research