2018 Fiscal Year Annual Research Report
志村多様体,局所志村多様体とそのエタールコホモロジー
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15H03605
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三枝 洋一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (70526962)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 志村多様体 / 局所志村多様体 / ラングランズ対応 / エタールコホモロジー / リジッド幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
有理数体上のGL(3)の自己共役的でない尖点的保型表現に対応するGalois表現の研究を行った.近年,Harris-Lan-Taylor-ThorneおよびScholzeによって,このような保型表現に対応するGalois表現が構成されたが,幾何との関わりは一般には未解明である.その一方で,van GeemenとTopは,1994年の論文において,レベル128の特定の尖点的保型表現π^{vGT}に注目し,それに対応するGalois表現がある曲面の2次エタールコホモロジーに現れることを数値実験に基づき予想していた.この予想が実際に正しいことを証明し,さらに,その系として,π^{vGT}に対するRamanujan-Petersson予想や局所・大域整合性などの結果を得た.この研究成果についてのプレプリントを作成し,arXivで公開を行った. p進体上の斜交群および準分裂偶数次特殊直交群の単純超尖点表現に対する形式次数予想を,p>2という条件のもとで解決した.同様の結果は,斜交群や特殊直交群のサイズに関する若干の仮定のもとで既に得られていたが,その仮定を外すことができるという研究成果である.証明のアイデアは,Deligneによる混標数と等標数の局所体のGalois群を比較する結果を用いて等標数に移り,Kloosterman層の理論を用いるというものである.この成果については口頭発表による研究報告を行ったが,論文は作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有理数体上のGL(3)の自己共役的でない尖点的保型表現に対応するGalois表現,単純超尖点表現に対する形式次数予想についての成果を挙げることができたため,研究は順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である来年度は,志村多様体および局所志村多様体のエタールコホモロジーとラングランズ対応の関係について,総括的な成果を挙げられるように研究を進める予定である.
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Research Products
(7 results)