2019 Fiscal Year Annual Research Report
完全積分可能系のmoduli構造の解析と関連する幾何学
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15H03628
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
原岡 喜重 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (30208665)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 漸近展開 / Katz理論 / 不確定特異性 / Stokes係数 / モノドロミー |
Outline of Annual Research Achievements |
完全積分可能系のmoduli空間について,不確定特異性も許す場合の研究を進め,また国内外の研究者との議論を通して多くの知見を得た。Formal reductionにおけるblowing-upの必要性,sharing変換の実現,漸近挙動における多重角領域の取り方,特異点への制限と強漸近展開の関係,積分表示を用いた大域解析におけるresonantな場合の手法の開発,などである。結果の一部については論文にまとめ投稿した。 主に確定特異点型の常微分方程式と完全積分可能系についての研究内容をまとめた和書「複素領域における線形微分方程式」を英訳し,査読者・編集者とのやりとりを経てSpringer社より出版した。Katz理論とその高次元化について,基本的かつ先端的内容を学ぶための著作として,諸外国の研究者・学習者に役立つものと考える。 Katz理論は様々な研究に新しい切り口を提供する。吉田正章氏・佐々木武氏らが研究されていた数論由来の完全積分可能系について,その1次元切り口として現れる常微分方程式の解析にKatz理論を適用し,共形場理論に由来する方程式とのつながりを発見することができた。この結果については共著論文として投稿している。 対面による研究交流ができない中,高次元Katz理論について遠隔による国際セミナーで講演を行い,諸外国の研究者と意見交換することができた。 なお対面による研究集会の開催を予定していたが,コロナ禍で実現できず,実りある研究交流が実現できなかったことは悔やまれる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)