Outline of Annual Research Achievements |
海外共同研究者である, P.I.Naumkin,と共に, 臨界冪非線形項を持った4次非線形Schredinger型方程式の昨年までの研究結果をまとめ, 国際誌に要約として発表した(Advances in Mathematics(China),vol. 46, 2017). 海外共同研究者である, P.I.Naumkin, C. Li と共に, 消散型非線形Schredinger型方程式の解に対して, 初期値のフーリエ変換が実軸に接しないとの仮定の下, 上下からの時間減衰評価を示し, 従来の時間減衰評価が最良であることを示した. この結果はすでに国際誌に掲載されている (Commun. Pure Appl. Anal.16(6) 2017). 海外共同研究者である, P.I.Naumkin, 共同研究者の東北大学, 小川氏と共に, デルタ関数を含む特異性を持った初期値に対して, 高階非線形Schredinger型方程式を考え, 高階Schredinger方程式の基本解が通常のSchredinger方程式の基本解と異なり, 無限遠方で減衰していることを利用することによって, 解の存在を証明することに成功した. この結果はすでに国際誌に掲載されている (J. Evol. Equ., 2018). 海外共同研究者である, P.I.Naumkin, C. Li と共に,高次元空間において, 臨界冪非線形項を持った非線形Schredinger型方程式の研究を行い, 初期条件に従来とは異なる条件を仮定することによって, 解の漸近的振る舞いを示した. この結果は空間次元が3以下の場合に知られていたものであるが高次元に関しては未解決であった. この結果は国際誌に掲載が決定している( to appear in J. Math. Soc. Japan).
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外共同研究者である, P.I.Naumkin, C. Li と共に, 高次元臨界べき非線形Schredinger方程式の研究を行い, 時間大域解の存在, 解の時間減衰評価, 解の漸近的振る舞いを明らかにした. この研究において, 初期値のフーリエ変換が実軸に接しないという条件の下, 従来の結果を空間4次元以上に拡張した. このことによって, 可積分空間に属していない空間で問題を捉えることが, 非線形Schredinger方程式を研究する上で重要であることを, 示したことは独創的な点である. この結果はすでに, 国際誌 J. Math. Soc. Japan に掲載が決定している. P. I. Naumkin 及び 川原氏と共に4階非線形Schredinger方程式の散乱問題の研究を行い, 従来仮定されていた, 非線形項の階数の改善に成功した. 従来の方法との相違点は, 関数空間の選び方にある. 要約すると, 本研究では分数冪重み付き関数空間を有効に用いることによって, 非線形項の階数と分数冪重みとの関係を明確に示すことによって結論を示すことに成功した. この結果は論文としてまとめ, 国際誌に投稿中である. 海外共同研究者である, E. Kaikina と共に1次元3次非線形Schredinger方程式の初期値境界値問題(半空間)を考察し, 境界条件が, ある時間減衰評価を満足する場合, 時間大域解の存在, 解の時間減衰評価を明らかにした. 境界条件が非斉次である場合, この方面の研究は, エネルギー法を用いるときに現れる, 境界からの影響の扱い方に困難があり, ほとんどされていない. 我々は, 解を斉次境界条件を満足するものと, 境界からの影響を受けるものとに分解することによって解決した. この結果は論文としてまとめ, 国際誌に投稿中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
臨界冪非線形項を持つ分散型方程式の共同研究を海外共同研究者 Naumkin, Kaikina, Li と継続して行う. また一次元非線形Schredinger方程式の初期値―境界値問題を海外共同研究者 Kaikina と共同研究者 小川氏 と継続して行う. 特に臨界べき非線形項を持った初期値ー境界値問題を考察し, 境界値の時間変化が, どのように解に影響を与えるかに焦点を絞って研究を行う. 講演あるいは国際誌への掲載を通して研究成果を内外に発信することに務める. 専門家との意見交換を積極的に行うことにより成果の評価を客観的に把握し研究にいかす.
|