2016 Fiscal Year Annual Research Report
結晶の界面運動の数理解析の新展開~時間発展途中の現象の解析~
Project/Area Number |
15H03632
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
石渡 哲哉 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50334917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 成俊 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00323874)
木村 正人 金沢大学, 数物科学系, 教授 (70263358)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 界面ダイナミクス / 結晶界面 / 界面の挙動 / 自由境界問題 / 曲率 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間2年目となる平成28年度においては、これまで得られた成果を積極的に発表しつつ、関連する研究者との交流を深め、初年度に引き続き平面内の界面運動,平面曲線の時間発展問題を中心に数理解析を進めた。主に行った研究は以下の通りである:(1)中谷宇吉郎によって物理的に考察されてきた氷負結晶の変形挙動の数学的正当化を行った。具体的には、微小結晶面が出ている非凸界面を許容多角形として扱い、有限時間における凸化定理を示し、論文投稿を行った。(2)非一様場における面積保存クリスタライン曲率流の定式化を行い、それに対する数値計算法を構築した。これは、(1)の中谷の実験にある温度勾配のある場における負結晶界面の変形挙動を理解するためのものであり、現在これの数学解析を進めている。(3)Hele-Shaw流れの基本解近似解法を用いた数値解析を行った。また、基本解近似解法の不変スキームについての提案を行った。(4)界面運動の数値計算法としてしばしば用いられる、符号付き距離関数を用いたthreshold-type アルゴリズムに関する収束定理を得た。 また、チェコのBenes氏らのグループなど内外の界面ダイナミクスの研究を活発に行っている研究者20名弱を招き、6月に研究合宿を行い集中的に議論を行った。更に、石渡・矢崎・木村が日本側主催者となっているチェコ・ポーランド・日本合同の応用数学のワークショップを9月にポーランドで開催し、ここにおいても界面運動の数学解析・数値解析に関する研究発表をすると共に関連する研究者と活発な交流を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にあるとおり、当初計画の内容だけでなく、そこから派生した問題についても研究が進んでおり、一部は論文の投稿も済ませている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の研究については、鋭意研究を続ける。また、6月に石渡・木村・矢崎が主催者となって、界面ダイナミクス関連の研究合宿を行い、今後の方針の明確化をすると共に、関連する研究者らと情報交換を行う。また、夏以降国際会議等で積極的に成果発表を行い、研究活動を活発化させる。
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