2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトマテリアル表面を探査する自律走査型マルチアクティブプローブ法の開発
Project/Area Number |
15H03706
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角五 彰 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10374224)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁富 香織 北海道大学, 情報科学研究科, 研究員 (90431816)
新田 高洋 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20402216)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 生体分子モーター / アクティブプローブ / ソフトマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では自走する多数のアクティブマター(微小管)を用いて、ゲルなどに代表される軟らかい材料(ソフトマテリアル)の表面力学特性変化(歪・応力変化)を能動的かつ直接的に探針するマルチアクティブプローブ法を開発することを目的としている。これまでに開発してきたソフトマテリアル表面における微小管の運動発現技術、微小管に対応した顕微鏡上伸展装置を本探針法の評価・解析装置へと展開することで実現させる。具体的には、ソフトマテリアルを伸張・圧縮させた際の、その表面における微小管の応答特性、不均一な歪分布を有するソフトマテリアル表面上での微小管の動的挙動をイメージングすることで力学特性変化を評価することを計画案として提案してきた。本年度は表面の応力変化に対する微小管の動的挙動を明らかにするため、一軸伸張場および二軸伸張場を提供可能な装置を開発してきた。作製した装置の作動精度を確認するとともに基盤の最適条件および微小管の運動発現条件についての最適化を行った。さらに本装置を用いて一軸伸張場における微小管の動的挙動(移動速度や相関長)の評価を行ってきた。主に微小管運動速度の歪依存性(0%~130%)を評価し両パラメーターの相互変換の可能性について検討を行った。また動的挙動評価に必要不可欠なキネシン密度に関する定量を蛍光強度測定および水晶振動子(QCM)センサを用いて評価してきた。またマルチアクティブプローブの動的挙動を予測するためのシミュレーションシステムの構築も終えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
マルチアクティブプローブ法が汎用な方法論であることを証明するためには、二軸応力状態も含めた、より一般的な変形下で微小管の動的挙動を評価する予定である。また一軸伸張においてPDMS薄膜に応力を加えた場合、ポアソン効果により、応力に直角方向の歪が発生すると予測されることから微小管の動的挙動に与えるポアソン効果についても明らかにする予定である。さらに微小管の進行方向変化に対する歪依存性および歪速度依存性を先導端の角度変化を指標として評価することで歪量への換算が可能か検討を行う。上述の力学特性評価法の妥当性を明らかにしたのち、本評価法の空間分解能およびセンシング速度に関しても検討する。
|
Research Products
(1 results)