2015 Fiscal Year Annual Research Report
動的磁化率の測定と応用:線形応答理論にもとづく新しい磁化率解析法
Project/Area Number |
15H03718
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小玉 一人 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 教授 (00153560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕二 高知大学, 自然科学系, 准教授 (00452699)
齋藤 武士 信州大学, 理学部, 准教授 (80402767)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パルス磁気緩和 / 磁化率 / 線形応答 / 環境磁気 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)時間領域測定システムの設計と製作 パルス磁場強度10mT、継続時間10マイクロ秒の時間領域測定システム(パルス磁気緩和測定システム)を開発した。今後改良を加えて、パルス磁場強度を10倍程度まで高めること、正負1サイクルのパルス磁場を発生することをめざす。さらにS/N 比を向上させるため、連続パルスを発生させて出力を積算する数値データ処理システムを開発・製作する。 2)自然試料の測定と環境磁気学的検討 磁性粒子サイズや磁区構造の異なる火山岩類を測定して、上記システムの性能評価を行った。予察的結果は理論予測とよく一致するばかりでなく、これまでになく高分解能で磁性粒子サイズ分布を推定可能な新たな分析手法開発の手がかりを得た。2年目以降にこの手法を完成し、IODP 日本海掘削コア試料や中国黄土試料のルーチン測定をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
デバイ型磁気緩和データに条件付き線形インバージョンを適用することによって、磁性粒子の離散サイズ分布を求める新手法を開発した。この方法によれば、これまでのフォワードモデル計算に代わって、モデル分布を仮定しない客観的な離散サイズ分布を得ることができ、環境磁気への応用が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
1)パルス磁気緩和測定システムの完成。 2)複素磁化率の実数成分と虚数成分から周波数スペクトルを求めるシステムの完成。 3)線形応答理論にもとづき、上記1)2)を相互変換する数値処理法の完成。 4)試料の磁性に応じて最適測定法を選択可能な実用システムの開発と、その自然試料への応用。
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Research Products
(8 results)