2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of methods for lithium self-diffusion coefficient measurements in mixed conductors using isotope exchange
Project/Area Number |
15H03872
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑田 直明 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00396459)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 拡散係数 / 同位体交換 / 化学拡散係数 / 化学ポテンシャル / 空孔拡散機構 / リチウムイオン電池 / 混合伝導体 / 全固体電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、3年間の研究期間を利用して、リチウムイオンと電子の両方が動く混合導電体のリチウム拡散係数を計測する手法を開発してきた。さらに、この手法をリチウムイオン電池電極材料に応用した。今年度の実績は以下の通りである。 スピネル型のLiMn2O4は電子伝導性がイオン伝導性よりも大きい混合伝導体であり、典型的なリチウムイオン電池正極材料である。昨年までに開発した同位体イオン交換法を6LiMn2O4薄膜に適用して、一部分を7Liに置換した拡散対を形成した。同位体置換は電気化学的なリチウム脱離・挿入によって行った。拡散対を所定の時間・温度で熱処理し、室温でSIMS測定を行うことでトレーサー拡散係数を測定することに成功した。定比組成LiMn2O4の拡散係数の値は、300℃で1.4×10―10 cm2/s、活性化エネルギーは0.52 eVであった。また、高温側と低温側で活性化エネルギーが異なる現象が見出された。これはリチウムの空孔拡散機構を示唆する結果である。つまり、高温側では空孔の形成と移動によるエンタルピーが、低温側では欠陥として存在する空孔による移動のエンタルピーが拡散の活性化エネルギーとなることを示す。トレーサー拡散係数は化学拡散係数と比較すると、1桁小さい値であった。このことは熱力学因子(化学ポテンシャルのリチウム組成依存性)による補正により説明される。以上の研究結果は、N. Kuwata, et al., Solid State Ionics 320 (2018) 266に掲載された。 さらに拡散機構を解明するためには、リチウムを脱離した正極の拡散係数および、界面交換速度の測定が必要不可欠である。新しく開発したステップイオン交換法を用いることで、リチウム脱離後のLi0.5Mn2O4の拡散係数測定にも成功した。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(20 results)