2015 Fiscal Year Annual Research Report
機上計測と工具の機上成形機能を兼ね備えた超精密自律型工作機械の開発
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15H03900
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中本 圭一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90379339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹原 弘之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00205882)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 精密部品加工 / 超精密計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
単純形状のワーク表面を走査する場合であれば,プローブの軸ベクトルを法線方向と一致させることは難しくないが,複雑形状ではプローブとワークの不適切な干渉を防ぐために姿勢を変化させる必要がある.この課題は,複雑形状の超精密切削加工における工具姿勢と同様であり,連携研究者と協力しながらこれまでに培った多軸制御の工具経路生成に関する知見を活かすことで解決した.具体的には,目標形状のCADモデルを参照して複数通りの工具姿勢と工具経路の組合せを用意し,干渉の余裕度と姿勢の変化量,測定結果の良好度などの項目からなる評価関数を用意して,5軸制御による機上計測のための測定経路を生成した. また,ダイヤモンド工具の成形材料を調査するために,サファイアや超硬,人工水晶を取り上げ,摩耗量などの成形結果を比較し,最も除去率が高く,工具にチッピングなどの不具合が生じない材料と成形条件で,直接切れ刃をもつV溝加工用のダイヤモンドバイトの成形に取り組んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイヤモンド工具の成形材料として最も有望と考えていたサファイアよりも人工水晶で効果的な結果が得られたが,それ以外は当初予定した通りの進捗状況であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
誤差を生じやすい領域を重点的に測定することで機上計測の時間短縮を図るとともに,得られた測定結果から目標形状への修正加工を実現する.また,円弧状の切れ刃や,加工対象に適した任意の工具形状を成形し,工具形状を機上計測により確認する. 具体的には,加工形状の中で工具の位置決め誤差などが影響を与えやすい特徴的な領域(形状の一部)について形状創成関数を用いて解析する.この結果を基に,加工誤差が大きくなることが予想される領域のみを対象とすれば測定時間を大幅に短縮できる. またダイヤモンド工具の機上成形に関して,マイクロスコープで工具成形の過程を観察しながら成形条件を最適化し,機上計測を活用して成形後の工具形状と位置を保証するようにする.これにより,補正に相当な時間を要する工具の位置合わせ誤差を解消でき,加工準備の労力を大幅に低減することができる.
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Research Products
(5 results)