2016 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性流体の乱流境界層流れにおける最大抵抗低減領域とシート状構造との関係解明
Project/Area Number |
15H03918
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森西 洋平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40222351)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、粘弾性流体の最大抵抗低減領域(MDR領域)における抵抗低減メカニズムを解明するために、界面活性剤水溶液を注入した乱流境界層流れにおける実験、ならびに実験に対応した直接数値シミュレーション(DNS)を実施する。実験的研究から、MDR領域では、抵抗低減率が60%を超え、壁面に平行な大規模なシート状構造が形成されることを見出している。この大規模なシート状構造の全体像を捉えるために、平成28年度においては、実験では4台の同期されたカメラによるマルチカメラPIV計測手法を構築し、DNSではコサイン変換法に基づく高速計算手法を構築した。実験においては、従来の撮影範囲を4倍に広げることで、シート状構造の上方に大規模な乱流渦構造が形成されることを見出した。また、ダイナミックPIVにより得られた統計量とLDV計測結果の比較により、実験結果の信頼性を確認した。DNSでは、流れ方向変化を考量したレイノルズ応力収支の統計量分布が、全ての流れ方向位置において算出可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通り、4台のCCDカメラを用いたマルチカメラPIV計測システムを構築し、計測を実施することができた。また、抵抗低減メカニズムの解明を目指した直接数値シミュレーション(DNS)において、流れ方向変化を考慮したレイノルズ応力収支の統計量計算コードの実装が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに構築したマルチカメラPIV計測システムを用いて、MDR領域におけるシード状構造の解明を試みる。その際、PMSによるスペクトル解析や間欠係数の評価により大規模構造の特徴を抽出する。さらに、新たに構築したDNSコードを用いて、従来よりも大規模なDNSを実施し、シード状構造における粘弾性応力(界面活性剤ミセル)の役割を吟味する。
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Research Products
(2 results)