2016 Fiscal Year Annual Research Report
テレコピーロボットを用いた遠隔地間における運動と力覚の複製
Project/Area Number |
15H03937
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
三好 孝典 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10345952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10422809)
上 泰 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (20413809)
真下 智昭 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端総合研究所, 准教授 (20600654)
石橋 豊 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40252308)
小山 慎哉 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (50435385)
上木 諭 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50467213)
寺嶋 一彦 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60159043)
兼重 明宏 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70224615)
青木 悠祐 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (70584259)
北川 秀夫 岐阜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (80224955)
三枝 亮 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (80386606)
大場 譲 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (80455104)
河合 康典 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90413765)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マルチラテラル遠隔制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
マスターである人間の運動や力覚を,遠隔地において忠実に再現するロボットをテレコピーロボットと定義する.インターネットなどの通信遅延を有する環境において,マスターとテレコピーロボット群(それらのマスターは遠隔地に存在する)の間に生じる運動と力の相互作用を遠隔地間で複製し,人間・ロボット混在の力学的集団コミュニケーションを実現することを本研究の目標とする.具体的には,遠隔地AにおいてマスターA(人間)が存在し,そのコピーAが遠隔地に存在している状態,かつ遠隔地BにはマスターB(人間)が存在し,そのコピーBが遠隔地Aに存在している状態において,マスターAとコピーBの間に生じる運動・力と,マスターBとコピーAの間で生じる運動・力を安定的に一致させることが本研究の目的である.すなわち,運動と力が一致する世界を遠隔地間で複製しようと言う試みである. 2年目となる本年度では,以下の研究内容を実施した. 1.両腕ロボットを計2体製作した.これは2つのDCサーボモータでアーム先端のX,Y座標を制御する2自由度パラレルリンク構造を持ち,アーム先端で最大10[N]以上の出力を確保しつつ,微細な力制御を実現するものである.2.全方向移動台車を1台製作した.これは駆動機構としてオムニホイールを採用し,コピーロボットの足部として両腕ロボットを搭載して全方向に移動するものである.3.人間の位置情報抽出プログラムを作成した.これはマスターの位置を認識し,遠隔地に存在するコピーロボットへ,位置指令を発するものである.4.2対2のコロニー間での制御モデルと安定化理論の構築を行った.これは,送信されたマスターの位置情報にコピーロボットが追従し,かつ相互に送りあう力情報を一致させるように制御するプログラムである.シミュレーションでは通信遅延があっても安定で,かつ,トランスペアレンシーが保持できることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハードウェアの構築は既に終了し,制御アルゴリズムの構築,シミュレーションも順調に進捗しているため,上記のように判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であるため,制御アルゴリズムの確立と遠隔実験の実施による安定化理論の評価を行う.具体的には, 1.位置・力制御プログラムの作成と動作確認:コピーロボットの腕部の位置と発揮する力を制御するプログラムをロボットに組み込み,正常に動作するか検証実験を行う.さらに全方向移動台車と組み合わせ,台車を運動させながらコピーロボットが所定の位置に位置決めされ,所定の力を発揮できることを確認する. 2.遠隔コロニー間での遠隔制御実験:上記で構築したシステムを遠隔地間で通信を行うことで,バイラテラル制御が理論通りに実現できているかを確認する.特に確認すべき点は,(a)コピーロボットが遠隔地のマスターの運動を正確に復元できているか,(b)コピーロボットが遠隔地のマスターの受ける力を正確に再現できているか,(c)コピーロボットが安定して運動できているか,(d)通信遅延の増減・パケットロスの増減によってパフォーマンスがどのように変化するか,(e)マスターは違和感なくコピーロボットと運動の共有を行えるか(官能的な評価)などである. 3.多数のコロニー間での安定化理論の提言:挑戦的な項目であるが,コロニーの数が 3か所以上になっても安定性を保証できるか,トランスペアレンシー(上記 a,bの項目)が確保できるか等,マルチラテラル遠隔制御の枠組みにおける安定化理論の構築に対してもアプローチを試みる.
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Research Products
(12 results)