2016 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ3次元構造と構成元素の検出のための分光偏光ナノトポメトリ
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15H03941
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
大谷 幸利 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10233165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
セラノオG ダビッドI 宇都宮大学, 学内共同利用施設等, 特任研究員 (80747270)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノ形状計測 / ナノ構造 / ナノ材料 / 分光偏光計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,3次元ナノ構造からの散乱光を分光偏光イメージングによって波長に対するストークス・パラメータとして計測することでその材料の光学特性および3次元形状を同時に捉えることである。今年度は,分光偏光ナノトポメトリの有用性を実証するための研究を進めてきた。まず,ナノ三次元形状を得るためにストークス・パラメータからナノトポグラフィを検討する。特に,散乱光は全方位角に広がるので,これに対応するような光学系と装置の改造を施した。ここでは,前年度に試作したスーパーコンティニュアム白色光源からの入射光の偏光状態を高速に変調するために2つの光弾性変調器(PEM)を導入し,部分ミュラー行列の解析との高精度化をはかった。特に、検定のための基準光源やナノメートルオーダの構造を持つワイヤーグリット偏光子の透過および反射の偏光特性の計測を試みた。精密定盤上に仮設置された机上実験から筐体することで防震,台環境を向上させ分光ストークス・イメージングの高精度化をはかった。さらに,得られた波長に対する偏光情報,つまり,分光ミュラー行列や分光ストークス・パラメータからナノ3次元形状情報と構成元素情報を得るシミュレーション法を検討した。電磁場解析である厳密結合波解析(RCWA),時間領域差分法(FTDT)および境界要素法(BEM)があるが,前年度に引き続きBEMに絞って偏光情報の構造性複屈折情報と複吸収(二色性)から3次元ナノ構造を決定するシミュレーションを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,2つの異なったアプローチから分光偏光ナノトポメトリの装置化に力を注いだ。一方,ナノ3次元形状情報と構成元素情報を得るシミュレーション部分においては,昨年同様に境界要素法(BEM)であり,若干遅れ気味である点。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進は,光弾性変調素子を用いた分光偏光ナノトポメトリを実際に全方位角型3次元ナノ構造計測法に拡張する。厳密結合波解析(RCWA),時間領域差分法(FTDT)および境界要素法(BEM)というシミュレーションのなかでナノ構造とその物質の構成元素の決定法を可能とする。また,解析の高速化のため,有効媒質近似(EMA)の最適化を図ることによって,複素屈折率と多層膜の材料厚みおよび屈折率の分光特性を決定する。最後に,ナノ三次元形状を大学所有の電子線描画装置によって主に,ガラス基板上に製作し,本手法を評価する。また,電子線顕微鏡およびAFMにて比較も試みる。
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Research Products
(3 results)