2015 Fiscal Year Annual Research Report
走査型電子顕微鏡下における微小構造体の疲労試験・観察の一貫システムの構築
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15H03942
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 健介 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80345173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿内 利文 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20452039)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疲労試験 / 微小構造体 / 電子顕微鏡 / マイクロマニピュレータ / 力センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、微小構造体の疲労試験を電子顕微鏡観察下で行う一貫システムの構築である。微小力センサを有する多軸のマイクロマニピュレータを用いることで、荷重方向、加振条件を自由に設定し、様々な条件の疲労試験を可能にする。また、疲労試験自体を電子顕微鏡観察下で行うことで、疲労破壊にいたるまでの材料のミクロ構造の変化と、そのときの構造体の挙動をその場で観察・分析することができる。これらによって、微小構造体の疲労破壊に特有のメカニズムを詳細に解明する。 平成27年度は、微小構造体の疲労試験システムを実現すべく、(a)微小試験体製作、(b)試験体のハンドリング、(c)加振、(d)力の計測、(e)画像の記録の要素技術を同時並行で開発し、各要素技術を確立した。微小試験体の寸法は、初期亀裂や結晶粒の寸法より小さい2×3×10μmとし、集束イオンビーム(FIB)を用いた多方向加工で製作した。試験体に引張荷重を加えるため、マニピュレータ先端のプローブ形状を最適化し、また、試験体自体も、加重方向が軸に平行出ない場合は隅部で破壊するような形状に設計した。加振の周波数は1日程度で100万回に達するように10Hzの周期で加振した。また、加振と応力測定を同時に行うためには、センサの測定分解能と加振できる最大振幅とがトレードオフの関係になる。これらのバランスをとりつつ、かつセンサの共振点が前述の10Hzから外れるようにセンサを設計した。2枚の平行平板を6×8×0.06mmのリン青銅としたことで、7.3μNの測定分解能を実現した。この力は、本研究の試料寸法の場合、1.2MPaの応力に相当する。実験の様子を電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子製、JSM6301F)を用いて、観察したが、長時間の画像取得は観察分解能の劣化をもたらすことがわかり、今後改善の必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに研究開発が進み、想定された成果をあげているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに確立した要素技術を統合してシステムを構築し、それ用いて微小構造体の疲労試験を行う。
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Research Products
(4 results)