2016 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ウインドファームを有する電力系統の総合的安定化
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15H03956
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| Research Institution | Kitami Institute of Technology |
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Principal Investigator |
田村 淳二 北見工業大学, 工学部, 教授 (40171897)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢神 雅規 北海道科学大学, 工学部, 教授 (30364243)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 風力発電 / 電力系統 / 周波数変動 / 過渡安定度 / 太陽光発電 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度における研究成果を以下に箇条書きにて示す。
1) 可変速風力発電機を用いて、その風車・発電機部分の運動エネルギーを利用し、ウィンドファームからの出力を平滑化するための制御方法に関して、従来のローパスフィルター(LPF)法を拡張し、系統周波数変動に応じてLPFの時定数を可変にする方法を検討し、3機9母線系統モデルを用いたシミュレーション解析によりその有効性を確認した。
2) 太陽光発電システムとウィンドファームを有する電力系統の地絡故障に対する過渡安定度解析を行った。無限大母線に関しては、実際の系統に合わせて無い場合を想定し、太陽光発電システムと風力発電機にFRT性能が具備されている場合と具備されていない場合とで解析を行い、それぞれの場合における系統内同期発電機の過渡安定度の特性を明らかにした。その結果、太陽光と風力発電システムにFRTがある場合において同期発電機の安定度が向上すること、FRT無の場合には同期発電機が減速脱調側に過渡安定度が低下するとの結果が得られた。
3) 風力発電機からの変動電力による系統周波数変動を可変速揚水発電機により抑制する方法として、系統周波数変動の周波数特性を基にしてノッチフィルターを用いて揚水発電機出力を制御する方法と系統周波数変動にDeadBandを適用して出力制御する方法をそれぞれ検討し、3機9母線系統モデルを用いたシミュレーション解析によりその有効性を確認した。
4) 風力発電機からの変動電力による系統周波数変動をHVDC直流連系線潮流制御より抑制する方法として、系統周波数変動の周波数特性を基にしてノッチフィルターを用いる方法とハイパスフィルターを用いる方法をそれぞれ検討し、3機9母線系統モデルを用いたシミュレーション解析によりその有効性を確認した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1) 風力発電に起因する系統周波数変動の抑制制御に関して、可変速風力発電機の風車・発電機部分の運動エネルギーを利用した制御方法に関してはほぼ計画通りに進んでいる。
2) 太陽光発電システムを有する系統の解析において新たにウィンドファームも有する系統を対象にしてFRT能力の有無に対応した系統の過渡安定度解析も遂行し、解析結果がほぼ計画通りに得られている。
3) HVDC直流送電線の潮流制御による系統周波数変動の抑制制御は本年初めて開始したものであるが、有益な結果が得られている。
4) 可変速揚水発電機の考慮は当初申請段階においては無かったものであり、その後の検討によりその優位性が期待されたので、本年より新たに検討に導入し、早速有益な結果が得られている。
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| Strategy for Future Research Activity |
1) 太陽光発電システムと風力発電システムを有する系統において、地絡故障に伴って太陽光システムが系統解列となる場合の同期発電機の過渡安定度の特性を明らかにし、続いてこの場合に、風力発電機の運動エネルギーの放出・吸収制御により系統の過渡安定度を向上させる方法を検討する。
2) 風力発電機の運動エネルギーを利用した出力変動平滑化制御に加えて、HVDC直流送電線の潮流制御と可変速揚水発電機の出力制御の協調により効果的に系統の周波数変動を抑制できる制御システムを構築する。
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