2015 Fiscal Year Annual Research Report
安全安心安定な電力系統を実現するクラウド形エネルギーストレージシステムの創造
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15H03960
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| Research Institution | Nagaoka University of Technology |
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Principal Investigator |
伊東 淳一 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90377218)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 電気機器工学 / パワーエレクトロニクス / 電力工学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，エネルギーストレージシステム(ESS)をクラウド化することで安心，安全，安定な電力供給を実現する。太陽光，風力発電の普及に伴い，ESSが重要となっている。本申請では，電力系統内にマイクログリッドなどで用いられているESSよりも，さらに小容量なESSを多数分散配置し，クラウド的にエネルギーを蓄える。これを実現するためにはメンテナンスフリーかつ並列制御できるESSを開発する必要がある。これを電力変換器のマトリックスコンバータとアクティブバッファ技術，フライホイールエネルギー貯蔵技術，高速冗長分散制御技術により実現する。
本研究は3つのサブテーマからなり，それぞれ進捗概要を以下に述べる。
(1)電力変換器の開発：単相，三相両方の入力が可能なFWESS用のインタフェース電力変換器の制御方式についてシミュレーションにより開発を行い，プロトタイプを試作した。三相入力時はマトリックスコンバータによる直接変換技術を用いる。特に，系統連系時に安定化に寄与するFRT（フォルトライドスルー）に対応する制御技術を開発した。また，単相入力の時には，単相電力脈動を小容量のコンデンサで吸収するアクティブバッファ技術を開発した。特に今回開発した回路は，電流形変換器の動作を用いており，リアクトルを大幅に低減できる。
(2) クラウドESS向けフライホイールの開発：短時間大出力に向けて，モータを真空ケースの外側に配置するアウトサイド形フライホイールを開発した。動力伝達として，磁気カップリングを用い，また高効率化を狙って，磁気軸受けの開発を行った。また，巻き線切り替え用の電力変換器についても開発を行い，実験にてその基礎検証を行った。
(3)高速冗長分散制御 ：電力変換器，電力系統，フライホイール，風力発電，太陽光発電，需要家のシミュレーションモデルを構築し，電力安定化制御について検証を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の計画に沿って進めており，特段大きな問題は発生していない。特に電力変換器の開発とフライホイールの開発は，順調にすすんでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
3つのサブテーマに対して，以下の方策で推進する。
(1) 電力変換器の開発：今年度に試作した，インタフェース用電力変換器の実機立ち上げ，フライホイールとの組み合わせ試験を行う。その際は，一定電力出力時の効率評価だけでなく，太陽光発電や風力発電，家庭負荷，オフィス負荷を想定して，発電・負荷パターンを決定し，電量ｋ量低減効果について評価を行う。
(2) クラウドESS向けフライホイールの開発：今年度開発したフライホイールエネルギー貯蔵システムについて，大きな充放電レート（20～30倍）で単体試験を行い，その過渡的な効率特性を明らかにする。また，最終的に複数台で制御方法について検証を行うので，フライホイールの単体試験の結果を踏まえながら，クラウドＥＳＳ用フライホイールを設計，試作する。
(3) 高速冗長分散制御 ：構築したシミュレーションモデルを元に最適化する。また，高速冗長分散制御を評価するミニモデルの設計製作を行う。
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