2015 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジーに基づく意志決定を考慮した制御理論の構築
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15H04022
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 文一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70362837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 将人 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20323826)
西村 悠樹 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (20549018)
福井 善朗 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (30710652)
佐藤 康之 東京理科大学, 理工学部, 研究員 (40738803) [Withdrawn]
山下 裕 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (90210426)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 制御工学 / 制御理論 / 非線形制御 / 幾何学 / ロボット制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
意思決定を考慮した制御理論の構築は制御工学という学術分野において大きな課題である.この課題を解決するために,本年度は目標状態集合安定化に対する制御リヤプノフ関数の設計法およびフィードバック制御則の設計問題について研究を実施した. 本年度は,まず目標状態が方程式の解集合である代数多様体として与えられる,目標状態集合への安定化問題に対し,目標状態集合がコンパクト集合である場合に研究代表者らが開発した最小射影法を利用することにより局所半凹制御リヤプノフ関数が設計可能であることを明らかにした.また,ロボットアームの手先位置決め制御問題に対して適用し,適応制御則と組み合わせることにより動的にアーム姿勢を決定することが可能なフィードバック制御則を開発した.さらに,実機実験により制御則の有効性を確認した.また,冗長入力問題に対し,動的拡大とポテンシャル法により漸近安定性を保証する制御則を開発し,コンピュータシミュレーションにより有効性を確認した.つづいて,埋め込み永久磁石同期電動機に対して複数の局所制御リヤプノフ関数を最小射影法により結合することにより大域制御リヤプノフ関数を与えた.また,実機実験により有効性を確認した.動的拡大は制御リヤプノフ関数設計において有効な手法であるが,本年度は特定の条件を満たす微分フラットシステムに対して動的拡大および最小射影法を用いることで微分可能な制御Lyapunov関数をシステマティックに設計できる方法を開発した. 研究計画ではカラテオドリ解を保証するフィードバック制御則の開発を行う予定であったが,一般的な仮定の下では制御則の設計が難しいことを明らかにできた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的な進捗は順調なものと順調でないものが極端にわかれたものの,実機実験が当初予定よりも順調に進み予想より良好な結果が得られたため,総合的に評価しておおむね順調な進捗であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
近年,海外において本研究で用いている層理論の制御理論への適用が始まりつつある.海外の研究者と連携しながら本研究を進めたいと考えている.本年度の研究成果により,カラテオドリ解を保証する制御則設計が難しいことがわかった.今後は条件の緩いオイラー解を用いて研究を実施する予定である.
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