2016 Fiscal Year Annual Research Report
カープローブデータを活用した広域かつ経時的な道路路面診断手法の構築
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15H04023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸山 喜久 千葉大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70397024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 茂 鹿島建設株式会社(技術研究所), 都市防災・風環境グループ, 上席研究員 (50217999)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カープローブデータ / 舗装路面 / 維持・管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,前年度に路面性状測定車で詳細な路面性状を測定した東京都調布市と神奈川県横浜市を対象として,カープローブデータの加速度記録を用いて路面が不良な区間を抽出する数理モデルの検討を行った.本研究では,2015年3月の1ヶ月間にパイオニア(株)が蓄積したカープローブデータを用いた.パイオニア(株)のカープローブデータは,自動車の個別IDが1日毎に更新される.個別IDごとに横方向加速度を時系列データとして整理し,分析を行った. カープローブデータには様々な車種の走行時の加速度が混在しているものと想像されるため,車種の違いが路面凹凸に対する応答加速度に与える影響を考慮する必要がある.ここでは,個別ID毎の横方向加速度を平均値が0と標準偏差が1となるように標準化し,前年度に構築したロジスティック回帰分析に基づく数理モデルに適用することとした.2015年3月の調布市での加速度データは,便宜的に個別ID数を車両台数とみなすと,延べ1,429台分のデータから構成されている.国道20号線では200台程度以上の車両データが観測されている.また,その他の幹線道路では数十台程度以上の車両データが得られている.数理モデルによって路面不良と抽出された回数を車両台数で除したものを不良率と定義し,前年度に測定した国際ラフネス指数(IRI)と比較した.概して,不良率が0.6以上となった区間のIRIが実際に12 mm/m以上であった. また,福岡県直方市を対象として,道路管理者と共同で生活道路の路面性状評価を行うための準備研究を行った.路面性状測定車で詳細な路面性状を計測するとともに,スマートフォンを用いて走行中の自動車の上下加速度の計測を行った.今後は,本研究で開発したスマートフォンアプリを道路管理者に提供し,路面性状の簡易計測法を共同で検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,順調に研究を遂行できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,前年度までに構築した路面性状評価用の数理モデルのさらなる検証を行う.具体的には,新たな路面性状測定結果を用いたり,ロジスティック回帰分析以外の機械学習に基づく分類手法の検討を行う.さらに,走行時に撮影した路面画像を用いた路面ひび割れの抽出についても検討を行う. 本研究成果の社会実装に向けた検討として,福桶県直方市などの地方自治体の道路管理者とスマートフォンを活用した路面性状評価に関する検討を共同で行う.本研究で構築した加速度計測アプリを改良してデータ転送機能を付加し,計測した加速度データをサーバーへ自動転送できるようにする.さらに,解析結果をWebGISで表示させ,地図上で路面性状評価結果が確認できるようになることを目指す.
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Research Products
(5 results)