2015 Fiscal Year Annual Research Report
劣化促進による重金属等汚染物質を含む固化土からの長期溶出特性の解明
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15H04042
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
森川 嘉之 国立研究開発法人海上技術安全研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (10450777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英紀 国立研究開発法人港湾空港技術研究所, 地盤研究領域, 主任研究官 (60371762)
北詰 昌樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (70359230)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 固化土 / 劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
限られた期間で固化土の長期的な特性変化を検討するためには,既往の調査結果や実際に中長期間養生された固化土に対する試験結果をもとに固化土の劣化特性を把握し,一定の期間でその劣化状況を再現する条件およびシステムの構築が必要となる.そのために,当初の計画では1)港湾空港技術研究所内の地盤中に長期養生している固化土を掘り起し,その力学特性・化学特性を打設時の固化土のデータや過去に定期的に実施している調査結果と比較することで地中養生下における劣化傾向を明らかにする.2)そして,この長期養生した固化土から得られる時間と劣化特性の関係を短縮した期間で再現できるように,急速に固化土を劣化させる試験装置と方法を確立するとしていた.しかし,6月に国内・海外研究協力者と協議し,数に限りのある長期養生試料を有効活用するために計画を改善し,1)に先行して2)を行うこととした.しかし,劣化促進試験方法の検討において,みずみちおよび試料の変形や割れの問題の解決に期間を要し,劣化促進試験およびサンプリングの完了を平成28年度に繰越した. その後,試験に用いる試料容器や,試料の劣化を促進するための溶液の強制浸透方法の検討を進め,コンクリートの透水試験器を改良した試料容器と溶液の浸透方法を完成した.これを受けて長期養生試料を採取し,長期劣化のデータを取得,過去のデータと比較した.長期養生試料の劣化は表面付近にとどまっているものの,9年前のデータに比べて劣化が進行していることが確認できた. 暴露面からの劣化については,固化途中で攪乱を受ける場合を想定し,走査型電子顕微鏡による観察を行ったところ,改良土は攪乱を受けると改良土表面に微細な空隙が多数出現するが,長期間の養生中にこれら空隙は水和物などで埋められる傾向が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画を変更し,現地の長期養生試料の採取及び試験に先立って,劣化促進試験方法を検討することとした.しかし,劣化促進試験方法の検討に期間を要し,劣化促進試験およびサンプリングの完了を平成28年度に繰越した.その後の検討において,試験装置および方法を完成し,これを受けて長期養生試料の採取を行い,過去のデータと比較して劣化の進行に関するデータを取得した.
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Strategy for Future Research Activity |
作製した固化土の劣化促進試験装置を用いて,固化土の劣化試験の予備試験に着手する.予備試験では,溶液を変えて劣化の促進程度の違いを検討する.劣化の程度を調べる試験方法としては,主に針貫入試験,一軸圧縮試験によって行う.加えて, 暴露面からの劣化については,固化途中で攪乱を受ける場合を想定し,攪乱による強度低下とその後の回復状況を検討する.
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