2015 Fiscal Year Annual Research Report
HVEMトモグラフによる極厚マイクロ試片単結晶中の亀裂転位増殖過程の全貌解明
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15H04147
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 將己 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40452809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 賢二 九州大学, 工学研究院, 教授 (70156561)
森川 龍哉 九州大学, 工学研究院, 助教 (00274506)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 構造・機能材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の理論的背景は,1980年台に登場した破壊の物理にある(R. Thomson, Solid State Physics, Vol.39 (1986)). これにより,それまで現象論の範疇にとどまっていたマクロな破壊現象が,「転位と亀裂の相互作用力」という,ミクロな物性値によって定量的に表現できるようになった.そのような中で,研究代表者は材料の靭性向上メカニズムの解明には転位の直接観察が不可欠であると言う観点から”超高圧電子顕微鏡法を用いた亀裂先端転位の3次元構造解析”を行ってきた.更に,マクロな破壊挙動とミクロな転位運動を結びつけるために,”力学試験による靭性向上配因子の決定”を行い,異なるスケールから得られる結果を整理し,破壊抑制メカニズムの解明に努めてきた.本課題では,マイクロ破壊力学試験法と「超高圧電子顕微鏡(HVEM)トモグラフィ」による厚膜試料観察技術とを連携させ,マイクロ片持ちはり中の全転位構造を3次元的に明らかにすることを目的とする. 本年度は,最適な実験材料の選定と試験法の確立をおこなった.まず初期転位密度が低いこと,転位挙動が過去よく調べられてと言う理由からシリコン単結晶を用いた.CZ法で作製された(001)シリコンウェハからFIBを用いてマイクロカンチレバーにおける各面が<001>方位になる様切り出しを行った.作製したマイクロカンチレバーを高温ナノインデンターにより曲げ試験力学試験を試みたが,脆性的に破壊し塑性変形を起こすことができなかった.そこで,次にfcc合金であるにも拘わらず低温靭性を示す高窒素オーステナイト鋼を選択した.良く焼鈍し結晶粒を粗大化させた後,板面が<001>方位を向く結晶粒をEBSD法により選択した.シリコン単結晶と同様にFIBを用いて各面が<001>方位になる様にマイクロカンチレバーを作製した.ナノインデンターを用いて塑性変形を生じさせることが確認され,試験法が確立された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノッチ入マイクロ力学試験法が確立されたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は観察された転位の性格付けを綿密に行うと供に,結晶塑性有限要素法の解析結果と比較する.それによって発生した転位が力学的に妥当な性格を持つものであるか否かの検証を進める.
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Research Products
(2 results)