2016 Fiscal Year Annual Research Report
固体前駆体を導入したグライディングアーク噴流層による粒子の高速導電性コーティング
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15H04170
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 秀俊 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (50226643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 聡 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90589417)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 粉体操作 / 表面処理 / グライディングアーク |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な活動は、昨年度の実験を継続すると共に、コーティングされるポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)の粒子サイズを変えたり、放電電極の角度を変えてコーティング実験を進めた。これに加えて噴流層内の放電特性を調べるため、高速度カメラによるアークの挙動を観察し、アークが粒子の存在でどう影響されるかを調べた。その結果、粒子サイズを変えた実験では、気相蒸着が主となる高電圧下の放電条件において、サイズを変えても膜生成挙動は変化しない一方で、液相付着の関与が大きくなる低電圧放電条件では、サイズが大きいと亜鉛(Zn)粒子との終末速度比が小さくなるため、粒子間の衝突が減り、そのため成膜量が低下する結果が得られた。電極の角度を変えた実験では、30°、40°はあまり変化がなかったが、50°では成膜量の低下が見られた。これは、高速度カメラの観察により、50°の場合に放電領域が狭まるためと推測された。アークの挙動観察では、粒子を入れることにより、アークの通過面積が減少すること、個々のアークの放電持続時間が長くなること、そしてアークがガスと共に移動しなくなることがわかった。さらに、電極角度を変えたときのアークの通過面積と接触した粒子個数には関係性が見られなかった。これらの結果を踏まえ、昨年度提案した成膜機構を改めて考察し、コーティングは、気相蒸着と液相付着が存在すること、また粒子間の衝突が成膜に影響することに矛盾がないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、粒子挙動の計測やシミュレーションにも取りかかる予定であったが、計測は順調に解析できているものの、2種の粒子の識別が明確でない点が懸案事項である。一方、シミュレーションは条件設定を模索中で、これらは引き続き行う予定である。実験は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、実験では、引き続き前年度の条件で行うと共に、新たに放電ガスを変えたり、コーティングする粒子を変えた実験を進め、ここで提案したコーティング法の拡張性を検証する。高速度カメラによる観察も引き続き進め、これに加えて噴流層内の流体・粒子挙動シミュレーションを行う。そして、それぞれの結果を踏まえ、コーティング機構を確定し、コーティングに対して最適な処理条件および反応器形状を提案し、本研究を総括する。
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Research Products
(2 results)