2016 Fiscal Year Annual Research Report
多成分複合高分子系の材料と成形のプロセシング理論の構築と体系化
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15H04175
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 稔尚 九州大学, 工学研究院, 教授 (10194747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉山 祥也 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10422982)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高分子成型加工操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
混練機内の流れについて、伸長流動の分布を定量化する方法を提案した。これは高分子複合材料の溶融混練過程における流動パターンと混練機形状の関係を把握するのに有効である。この方法を用いて溶融混練の数値シミュレーションからニーディングディスクの形状と流動パターンの関係を特徴づけられることを示した。提案した方法によって、混練機形状と流動パターンの直接的な関係を議論することができ、特定の混練仮定における装置形状と混練効果の関係について見通しよく議論でき、装置形状の改善や新たな形状の設計に役立つと期待される。 混練スクリュによる混練効果の違いを定量化すべく、ゴム粒子分散樹脂およびガラス繊維強化樹脂について混練実験を行った。得られた混練物を溶融粘弾性と電子顕微鏡による観察を行い、異なる形状の違いによる混練効果の違いを観察できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画の一部を行い、査読あり研究論文1報を学術誌に発表した。また10件の学会発表を行っており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
高せん断・高トルク場における回転型レオメータの装置およびその測定手法の確立を行い,せん断場でのブレンド系,コンポジット系および架橋反応系(架橋が起きない温度)の材料の混合・混練挙動の検討を行う。具体的には以下の通りである。 材料系の確立:これまで研究によく用いられている系で理論考察の行いやすいブレンド系,コンポジット系,反応系の3種類を対象とする。また,系の特徴が出やすいように相溶化剤,分散剤,架橋助剤,その他の添加剤の使用を検討する。 高トルクせん断レオメータ装置の設計:高分子コンポジッドの充填剤分散および架橋反応による材料硬化に対応できる高トルクの回転型レオメータの設計仕様を検討する。仕様は,動的測定(振動回転)および定常測定(定速回転)が測定でき,できるだけ安価なものとする。治具としては,円錐-平板または平行円盤円を候補として予備実験でより適切なものを選択する。また,系の初期状態,測定試料の作成方法,治具への試料の設置と安定化について,再現実験から測定手法を確立する。 高トルクせん断レオメータによるせん断場での混合・分散挙動の解析:3種類のそれぞれの系に対して,配合を変えた試料を用いて粘弾性測定を行う。また,応力測定後の試料の高次構造を,走査型電子顕微鏡で観察し,画像解析によりブレンド系の第2成分液滴やコンポジット系の充填剤の粒径分布および空間分配を定量化する。さらに,応力と高次構造の関係を理論的に考察する。 伸長流動ダイの設計・製作:平均伸長速度が一定となる伸長流動ダイを設計する。仕様は,温度設定ができる,半分に分割して内部観察ができる,試料が少量になるものとする。予備実験で,押出しが可能なこと,測定後,ダイの分割によって内部の高次構造変化が観察可能なことを確認する。
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Research Products
(12 results)