2015 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ触媒反応工学展開のための顕微分光法による解析
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15H04178
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 智彦 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10171571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 博史 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70293644)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロリアクタ / 顕微分光分析 / ラマン分光分析 / 固体触媒反応 / 反応解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロリアクタのための反応工学の体系化が喫緊の課題とされている。本研究はマイクロ触媒反応器についての反応工学の新展開のため、顕微分光法による総合的な反応の解析を目的として実施している。 27年度は、研究計画に従い、フォトリソグラフィーの手法によりシリコン基板上に作成したマイクロチャンネルの壁面にアルミナ担体と白金を担持した気相反応用の壁面担持触媒反応器兼in situ 分光セルを試作し、顕微赤外分光、および顕微紫外分光を駆使した検討を行い、メチルシクロヘキサンの脱水素反応をモデルとした反応条件下での反応中間体の観察を行い、赤外分光によりπアリル中間体を、紫外分光により共役ジエン中間体を観察するとともに、重合物の蓄積も確認した。反応成績との関連を総合的に考察し、反応のメカニズムと触媒活性劣化の原因について考察した。また、新たに顕微ラマン分光器を導入し、反応系を試作し、試運転を行っている。さらに、タイ国チュラロンコン大学との国際共同研究にも取り組み、マイクロチャンネルの幾何学的配置が反応成績に及ぼす影響についてのシミュレーションを行った。一方、28年度実施予定の液多相系触媒反応器についての検討を先行して開始した。相間移動触媒を中間相とする塩化ベンゾイルとフェノールの反応による安息香酸フェニルの合成に取り組み、有機-触媒-水の三相平行流を実現するとともに、反応解析を行いマイクロチャンネル内での流動状態が反応成績に与える影響を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル反応を利用した顕微分光分析による解析について、赤外分光と紫外分光の活用により吸着中間体の補足とメカニズムの提案に成功したが、10月下旬に導入した顕微ラマン分光器が十全に動作するまでに至っていない。一方、液多相系の反応解析は計画に先んじて進展した。総合的に判断して、おおむね順調な進展と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はラマン分光器の安定な動作を確保することに注力し、赤外分光、紫外分光との組み合わせによる総合的な評価に向けて検討を継続する。また、チュラロンコン大学との共同研究ならびに液多相系触媒反応器の解析についても継続し、29年度実施予定の反応器の構造が反応成績に与ええる影響についても先行研究を開始する。
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Research Products
(7 results)