2016 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトライド材料の水素吸蔵放出能を利用した水素化・脱水素触媒の開発
Project/Area Number |
15H04183
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北野 政明 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 准教授 (50470117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エレクトライド / 水素化 / ルテニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、12CaO7Al2O3(C12A7)エレクトライドの水素吸蔵放出能を利用し、金属ナノ粒子触媒と組み合わせた水素化・脱水素触媒の開発を行うことを目的としている。また、C12A7に限定せず、他のエレクトライド物質やヒドリド化合物を水素化反応に用いることも重要な課題としている。本年度は、ヒドリド化合物であるCa2NHやCa(NH2)2にRuを担持すると優れたアンモニア合成触媒として機能することを見いだした。Ca2NHのようなヒドリド化合物は、低温で水素を放出することができる。その際に生じたヒドリド欠陥からの電子供与により、Ru上での窒素解離が促進される。さらに、Ru/Ca2NHは水素吸蔵放出特性を持つため、Ru触媒上での水素被毒を防ぐこともできる。このような作用により、低温で高いアンモニア合成活性を示すことを見出した。 Ru-Fe合金ナノ粒子を担持したC12A7エレクトライドが、不飽和アルデヒドから不飽和アルコールへの選択水素化反応に優れた触媒性能を示すことを見いだした。RuやFeのみを担持した触媒では高い活性は得られず、Ru-Feを電子を有していないC12A7に担持しても高い触媒活性は得られなかった。Ru-Fe合金ナノ粒子の形成とC12A7エレクトライドによる電子供与性が高活性・高選択性に寄与していることが明らかとなった。また、水熱合成法で作成したC12A7を担体としてRuナノ粒子を担持すると、キノリンなどの複素環式化合物の選択水素化に優れた触媒能を示すことも見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヒドリド化合物Ca2NHが優れた触媒担体となることを発見し、水素吸蔵放出能とその際に生じる電子の役割を明らかにすることができ、アンモニア合成のような水素化反応における重要な知見が得られた。さらに、C12A7が様々な選択水素化反応に対して優れた触媒担体として機能することも明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Ca-N-H系化合物は、様々な構造を有した物質が考えられ、触媒作用との相関、反応機構を解明することでさらなる高機能触媒を開発する。また、C12A7をはじめとする触媒を様々な液相触媒反応にも適用する予定である。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Efficient and Stable Ammonia Synthesis by Self-Organized Flat Ru Nanoparticles on Calcium Amide2016
Author(s)
Yasunori Inoue, Masaaki Kitano, Kazuhisa Kishida, Hitoshi Abe, Yasuhiro Niwa, Masato Sasase, Yusuke Fujita, Hiroki Ishikawa, Toshiharu Yokoyama, Michikazu Hara, Hideo Hosono
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Journal Title
ACS Catalysis
Volume: 6
Pages: 7577-7584
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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