2015 Fiscal Year Annual Research Report
酵素反応で定着・除去可能なゲルを形成するバイオプリンタ用インクライブラリの開発
Project/Area Number |
15H04194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
境 慎司 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20359938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真人 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (90301803)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生医療 / バイオプリンタ / バイオプリンティング / 組織工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、バイオプリンタを用いた3次元組織体の作製技術に関して、細胞に穏和な酵素反応により定着(ゲル化)するとともに、細胞の増殖・機能化・組織化を促進し、必要なタイミングで除去可能なゲルを形成するインク材料の開発を行うことを目的としている。 平成27年度は、西洋わさび由来ペルオキシダーゼ(HRP)の酵素反応によりゲル化する水溶液成分となる現有の高分子材料を用いて、インク材料設計指針獲得のための検討を行った。具体的には、溶液の物性を把握するために、溶液の粘度、表面張力、曳糸性に関して測定を行った。そして、それらとインクジェトノズルから吐出された溶液の飛翔形態を測定することで、溶液物性と吐出可能性の相関を明らかにした。次いで、この検討によってインクジェットノズルからの吐出が可能であることが示された物性の高分子水溶液をHRPにより架橋可能なフェノール性水酸基を導入したアルギン酸誘導体より調製し、バイオプリンタを用いてバイオプリンティングが可能であることを確かめた。この場合には、HRPとアルギン酸誘導体の溶液を一方のノズルから吐出し、他方のノズルから別のインクとして過酸化水素を含むアルギン酸誘導体溶液を吐出した。さらに、HRPによりゲル化可能なアルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ゼラチンの各誘導体から調製したインク溶液を使用して、複数のインク成分を含む三次元ゲルを作製できることを実証するとともに、各成分を徐々に分解・除去できることも実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の検討項目の目標として設定していた事項をすべてクリアすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度と同じく、年度初めに設定した検討項目を達成できるよう、計画的に検討を進める。
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Remarks |
初年度の検討が終了したところであり、まだ成果の発信は行っていない。
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Research Products
(5 results)