2016 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシング因子の新規機能を利用した動物細胞ディスプレー技術の高度化
Project/Area Number |
15H04196
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金山 直樹 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70304334)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳光 浩 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (20237077)
曲 正樹 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (50359882)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 抗体工学 / 細胞工学 / 変異 / SRタンパク質 / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗体遺伝子への自発的変異能力を有するニワトリB細胞株DT40を用いたin vitro抗体作製技術を効率化するための基盤技術を開発する。本年度は、前年度に引き続き変異導入能力を増強して抗体ライブラリー形成を効率化することにより抗体取得を効率化することを検討した。 我々が体細胞高頻度突然変異に必須の因子として発見したスプライシング因子SRSF1-3の過剰発現による変異増強を試みた。これまでの検討でDT40細胞でのSRSF1-3の安定発現と変異能力の増強に成功していたが、更なる検討により、変異の標的遺伝子として初期変異導入頻度の低い遺伝子でSRSF1-3発現の効果が高い傾向にあった。また、高度に変異を増強するにはあるしきい値以上のSRSF1-3の過剰発現が必要であることを示唆する結果が得られた。この結果の一つの可能性として何らかの競合的な内在因子の可能性が示唆され、SRSF1-3の作用機序との関連から今後詳細に検討する。SRSF1-3の機能部位に関する検討により、変異導入に関与する部位を一部同定した他、SRSF1-3のAID機能への関与の検討では、SRSF1-3がAIDの局在に関与することを示唆する結果も得られた。今後は、これらのSRSF1-3機能を操作することにより効率的な変異増強方法を検討する。一方、変異導入装置の増強ではなく、変異導入の基質である抗体遺伝子の配列を変異導入装置の基質特異性に沿って最適化することを試みたが、変異導入効率に有意な差は認められなかった。この原因が、配列の最適化されていないためか、変異導入において配列の基質としての認識が律速ではないためか、などについては今後検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画に記載された検討項目を実施し、当初の目標としていた成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
DT40細胞の変異能力増強を最適化し、抗体作製技術への応用の実証研究を実施する。
|