2016 Fiscal Year Annual Research Report
同軸噴射器形状が極低温高圧推進剤の混合拡散燃焼過程へ及ぼす影響の解明
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15H04202
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
坪井 伸幸 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (40342620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 進 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30300700)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ロケット / 航空宇宙工学 / 流体工学 / 熱工学 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は以下の通りである. (1)単成分流体解析:極低温窒素同軸噴流に対して3次元LES/RANSハイブリッド解析を行った.その結果,内側・外側噴流の運動量比が同じであれば,圧力に依存せず同様の無次元密度分布が得られることが示された.一方,圧力上昇に伴い熱力学状態のPVT関係に基づく下流の温度上昇が観測された.次に運動量流束比の影響を調べ,運動量流束比の増加に伴って混合が促進することを定量的に示した.そして低運動量流束比では内側高密度噴流の長さ変動が増加することを示し,液体ロケットエンジンにおける燃焼振動現象の発生がこれに起因する可能性を示唆した. (2)多成分流体解析:状態方程式がSRK状態方程式の2成分流体に対応するように改修を行い,試計算をおこなった.また,完全気体(常温・常圧),低速流体(H2/Air)の低速剪断流を対象に,非定常前処理法と燃焼反応を組み合わせた解析を行い,混合拡散挙動の把握を行った. (3)実験解析:本年度は噴射条件および計測の精度向上を目的とした実験を実施した.従来は内容積300cc簡易断熱だった上流加圧容器を真空断熱した冷却槽に浸した内容積21.1lの耐圧容器に変更し,既設高圧可視化容器と新規製作高圧配管で接続することで,従来数秒間だった噴射時間を数分以上に延長し,安定した温度条件での実験を可能にした.さらに温度計測系および校正装置を新規に製作し,本実験で必要となる100-130K領域での温度計測の精度・安定性を向上させた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している.2成分流体解析でSRK状態方程式を用いた3次元解析を試行している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き3ヶ月に一度のミーティングを行い,研究方法や研究結果の議論を行うことで研究をさらに加速する.また,積極的に研究成果を発表することで,研究成果に対する議論を行うと主に,研究内容に対する助言を受ける.
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Research Products
(14 results)