2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the Improvement of Accuracy for Ship Performance Analysis with Onboard Monitoring Data
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15H04213
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
箕浦 宗彦 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30294044)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モニタリングデータ / 実海域性能 / 船体・機関運動 / 直交回帰 / カーネル多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
船載型オンボードモニタリングシステムで収集される運航データ(海象、操船、機関運動、船体運動、構造応答などの情報)の統計解析により、船舶の実海域性能を高精度かつ実用的に推定・評価する手法を確立するため、1)直交回帰モデルとカーネル多変量モデルによる性能推定統計モデルの構築と2)船体応答データから遭遇波浪を推定するための海象推定統計モデルの構築を行った。 1)直交回帰モデルとカーネル多変量モデルによる性能推定統計モデルの構築 軸出力(プロペラ軸トルク×軸回転数)を平水中抵抗、風圧抵抗、波浪抵抗などに起因する成分に分離するための統計モデルを、直交回帰と独立成分分析の原理に基づいて構築した。波浪抵抗に起因する出力増加は、カーネル多変量解析を利用して、海象-操船-船体応答の関係に応じた出力増加に分離することを検討した。統計モデルの構築は、H27年度に整備したデータセットにより、モデルの妥当性を検証しながら行った。 2)船体応答データから遭遇波浪を推定するための海象推定統計モデルの構築 上記の海象-操船-船体応答の関係を表すカーネル多変量モデルを逆活用して、船体応答データより遭遇波浪(有義波高、平均波周期、主波向)を推定する手法を検討した。運動応答データだけでは、波浪との一意な関係が見出せないが、船速、構造応答、機関運動などすべてのモニタリングデータを活用すれば原理的には可能である。そこで、船体表面の波浪変動圧を取り入れてモデル化を行い、よい結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた応力計測システムでは計測が困難であることが判明したため、設置可能な新たな船舶を造船所と交渉し、システムの再検討を行った結果、その設置が平成29年2月に完了し、平成29年3月より計測を開始した。そのため一部必要なデータの計測が行われていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
統計モデルに関しては、直交回帰モデルとカーネル多変量モデルを組み合わせて、機関出力を平水中抵抗、風圧抵抗、波浪抵抗に起因する出力成分に分離するとともに、海象-操船-船体応答の組み合わせに応じた出力成分に分離することを検討する。収集の遅れているデータは、平成29年度前半で必要量を計測・確保する予定である。そのデータによる統計モデルのを検証を経て、研究成果をまとめる。
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