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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Development of a technology for in-situ realtime monitoring of underground bacteria

Research Project

Project/Area Number 15H04227
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

菅井 裕一  九州大学, 工学研究院, 准教授 (70333862)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords微生物 / フローサイトメトリー / かん水 / 散乱光 / 蛍光 / フィルター / 細管
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度は本研究で目的としている地下微生物の原位置モニタリングを可能とするフローサイトメトリーデバイスの試作を行なった。
まず、地層水試料をマイクロフローチップに導入するにあたり、試料に含まれる懸濁物や油分を除去する必要があり、孔径が10~100μmの間で異なる金属焼結フィルターを用い、同フィルター透過液をフローサイトメトリー解析に供し、フローメトリー解析が阻害されないレベルの懸濁物および油分とするための最大孔径のフィルターを選択した。その結果20μmの孔径のフィルターを用いることにより、フローサイトメトリーによる微生物の検出が阻害されないことが明らかになった。
次に、試料を流通させるマイクロチューブの最適な管径を検討した。フローサイトメトリーの原理によれば、微生物を一列に整列した状態でマイクロチューブ内に流す必要があり、本研究では管径の異なるガラス細管を用いて試料を流通させ、同管を顕微鏡観察することにより、試料内の微生物の流通状況を評価した。その結果、30μmの細管であれば概ね微生物細胞が一列に近い状況で流通する挙動が観察され、この管径を採用することとした。
さらに、試料に照射するレーザー光波長を検討した。平成28年度までに研究によって、本研究の目的微生物であるヨウ素酸化細菌の検出に有用な波長が明らかになっており、これと同様のレーザー光源を購入して検討した結果、本試作器においても同微生物の選択的な検出が可能であることが示された。
以上の各構成要素をポンプ、前方/側方散乱光検出器、ならびに蛍光検出器とともにアクリル製の透明円筒容器内に組み込み、試作器を完成させた。なお、ポンプやレーザー光源および検出器等への電源供給は容器の外部と内部とを遮水状態でから可能な構造とした。実験室において同試作器に試料を導入して試験した結果、目的微生物を選択的に検出することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前年度までに蓄積した目的微生物の選択的な検出に適したレーザー光波長を用いて、試作器においても同様にその選択的検出が可能であることが示されたことは平成29年度における大きな成果であった。しかしながら、地下かん水などの実試料に含まれていると想定される懸濁物や油分の除去と耐用期間とを両立させるためのフィルター孔径の最適化の検討に予定よりも時間を要した。孔径が小さいフィルターを用いることにより、フローサイトメトリー解析は阻害されず良好な結果が得られるものの、実フィールドへの適用を想定した場合、多量の試料をフィルターを介してデバイス内に供給することが想定され、フィルターの目詰まり等による劣化に対する耐性も評価する必要がある。両方の条件を考慮して最適な孔径のフィルターを選定するために、5種類の異なる孔径のフィルターを用意して検討したため、結論を得るまでに時間を要した。また、細管径の検討についても計画よりも遅れが生じた。微生物が概ね一列に近い形で細管内を流通するようにするためには、細管径だけでなく、試料の流量も影響したため、内径の異なる5種類の細管について、それぞれ流量を10段階に変化させて検討したため、結論を得るまでに予定よりも時間を要した。
これらの当初予期していなかった検討を実施したため、平成29年度の検討項目であったレーザー光源と各種検出器との最適な設置位置関係やポンプによる試料の流量の最適化においては十分な検討時間を確保することができず、現状ではまだ最適化の余地が残されていると判断している。これらの条件をさらに検討することにより、平成29年度に得られた精度よりも、より高い精度で目的微生物を選択的に検出することができると考えられる。これらのことから、当初の計画よりもやや遅れていると自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

まず、平成29年度の研究で検討が不十分であったレーザー光源と各種検出器との最適な設置位置関係やポンプによる試料の流量の最適化について、前年度に得られている選択的検出精度よりも高い精度で選択的な検出が可能な条件を明らかにし、5月中に結論を得て、試作器の改良を完了させる。昨年度に実施した試作器の性能評価においては、人工的に調整した微生物試料を用いており、実フィールドの試料とは大きく異なる環境下における試験であったため、本年度は実フィールドを想定した状況で室内試験を実施する。水溶性天然ガス田において採取予定の地下かん水中に試作器を浸漬させて稼働させ、同かん水中に棲息しているヨウ素酸化細菌の選択的な定量試験を実施する。同時に同かん水中の同微生物をリアルタイムPCRによって定量分析し、両者の結果を比較して、自然試料に対する本試作器の適用性を評価する。
上記の自然試料を用いた室内試験において良好な結果が得られた後、研究代表者が九州大学の伊都キャンパス内に有している試験坑井(約100m)に本試作器を導入して試料の導入と微生物の検出を実施し、実フィールドにおける原位置微生物モニタリングの可能性を実証する。
以上の研究成果を整理して論文としてまとめ、国際誌に投稿して発表する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Preliminary Study on In-situ Realtime Quantitation of Target Bacteria on the Principle of Flow Cytometry2017

    • Author(s)
      Yuichi Sugai, Gen Murakami, Kyuro Sasaki
    • Organizer
      International Biohydrometallurgy Symposium 2017
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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