2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
能瀬 聡直 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30260037)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コネクトミクス / オプトジェネティクス / ショウジョウバエ / 運動回路 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の行動の背景にある定型的な運動出力パターンがどのようにして生成されるのかを理解することは神経科学の中心課題のひとつである。本申請では、中枢回路研究のプラットフォームとしての整備が急速に進みつつあるショウジョウバエの幼虫において、オプトジェネティクスによる局所活動操作やコネクトミクス(電子顕微鏡画像3次元再構築)解析等の革新的技術を駆使することにより、定型運動の制御機構を理解することを目的とした。このため、運動神経細胞の上流の介在神経細胞群を系統的に同定し、その機能を解析した。本年度の実績は以下の通りである。 ①電子顕微鏡画像再構築による前運動神経細胞の同定と形態解析 幼虫の全中枢神経系を含む電子顕微鏡画像3D空間において前運動神経細胞の再構築を行い、その形態と投射パターンを解析した。具体的には運動神経細胞上のポストシナプス終末から逆行的に軸索をトレースし、最終的に前運動神経細胞を同定し、このなかに仮にLPI(lateral premotor interneuron)と名付けた一群の介在神経細胞を同定した。 ② 光遺伝学によるLPIの機能解析 LPI細胞は各体節に存在する局所ニューロンであった。その機能を調べるために、まず当該細胞において特異的に発現するGal4系統をJanelia研究所のJim Truman博士との共同研究で探索し該当するものを見出した。次に、得られたGal4系統を用いて、光依存性活性化チャネルChannel-rhodopsin(ChR2)をLPI細胞において特異的に発現させ、光により一過的にこの神経細胞を興奮させたときの幼虫の行動への影響を調べた。その結果、筋肉の収縮が見られたことから、LPI細胞は運動神経細胞に対し興奮性の入力を与えていると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り新規の前運動神経細胞を同定することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
同定した前運動神経細胞の機能についてより詳細な解析を進める。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A circuit mechanism for the propagation of waves of muscle contraction in Drosophila.2016
Author(s)
Fushiki, A., Zwart M.F., Kohsaka, H., Fetter, R.D., *Cardona, A., *Nose, A.
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Journal Title
eLife
Volume: 10, 7554/eLife
Pages: 13253
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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