2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular network and physiological function of glutamatergic tripartite synapse in the cerebellum
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15H04274
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 専 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30273460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高雄 啓三 富山大学, 研究推進機構 研究推進総合支援センター, 教授 (80420397)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セプチン / シナプス / 海馬歯状回 / 空間弁別障害 / 電子顕微鏡 / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
重合性GTPaseセプチンは脳で高発現し、細胞骨格や足場としてシナプス前・後・周囲(グリア)膜直下に集積し、多様なシナプス関連分子と相互作用する多機能蛋白質ファミリーであるが、シナプス伝達や精神・神経病態における役割には不明な点が多い。本研究では、ユニークな構造と細胞内局在を示すSEPT3を欠損するマウスが報告例のない空間認知・弁別障害を呈することを見出し、その責任領域を絞り込んだ。すなわち、a) 野生型マウス海馬歯状回(DG)へのAAV-shRNAベクター局所注入による枯渇によって空間弁別障害が再現されること、さらに b) Sept3欠損マウスDGへのAAVベクター局所注入によるSEPT3発現によって空間弁別障害がレスキューされることに基づき、DGが責任領域であることを確定するとともに、発生過程を通じてのSEPT3慢性欠損に起因する「発達障害」の可能性が否定された。嗅内皮質から貫通線維を経由してDG顆粒細胞へと入力するグルタミン酸作動性pp-DGシナプスはパターン分離による空間弁別に重要とされている。そのシナプス面積やスパイン体積は正常であるが、Ca2+貯蔵・放出の場である滑面小胞体の含有率が低下しており、初代培養顆粒細胞でもスパインへの小胞体侵入頻度が減少していた。スパイン内小胞体局在の制御はシナプス制御機構の一部であるが、分子メカニズムは小脳プルキンエ細胞でミオシンVaの関与が示唆されている以外不明である。今後も引き続き、スパイン内小胞体制御機構にアプローチするツールとしてSept3欠損マウスと培養系を活用し、行動、電顕、生化学など多階層の手法を駆使して空間弁別機能を支える未知のシナプス制御機構の探索を継続する必要がある。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)