2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of advanced non-invasive imaging system for mice
Project/Area Number |
15H04281
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三輪 佳宏 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70263845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 達志 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00286444)
依馬 正次 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (60359578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 蛍光 / 近赤外 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 薬剤によって制御可能な時間ウインドウ設定技術の開発 1-1.分解制御できるTetDeg-iRFPプローブの開発:昨年度に開発したプローブの詳細な性情の解析を進めるとともに、さらに厳密な時間分解解析の可能性を探った。その結果、連結するプロモーターの種類によって、著しく誘導効率が低下する場合があることを見出した。タンパク質分解の制御は発現を誘導するプロモーターには依存しないはずであるため、偶発的な塩基配列の特徴による阻害を考え、分子レベルでの解析を実施したが、完全な原因の特定には至らなかった。 1-2. 分解制御系を応用したモデルマウスの開発:昨年度、1-1で開発した分解制御タンパク質を発現するイメージングマウスの樹立を進めた。複数の系統の樹立を進め、正しくプローブ遺伝子が導入された個体を得ることができた。また並行して解析を進めた、前年度に開発したiRFPの免疫学的拒絶の回避方法について、その詳細なメカニズムの解明を行い、発現量の依存性、マウス週齢による違いなどを明らかにできた。これを応用して、今後はより簡便にワンステップで拒絶回避iRFP発現細胞を樹立できる高機能ベクターを開発することができた。また、分担者と進めていた免疫イメージングマウスを用いて具体的なイメージング実験を実施し、炎症が非侵襲に可視化できることを示唆する結果を得ることができた。 2. 発光・蛍光デュアル技術の開発と応用:研究分担者と進めていた血管系イメージングに蛍光・発光をデュアルに解析できるプローブを応用した成果を得ることができた。また、予定していた、低酸素依存的に発光強度が適度に減少する適切な発光系の選択と共発現系の構築をすすめ、共発現細胞株を樹立することができた。 3.光音響イメージング技術の確立:機器の問題で、光音響計測は十分に進められなかったが、計測に必要となる様々なラベル細胞の樹立は完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テーマ1に関しては、当初の予定よりも大幅に研究が進行し、炎症イメージングマウスを得たことにより、iRFP依存性の拒絶に関して、予想外の発展的な解析が可能になる、など拡張性のある研究が進行している。一方で、プローブの性能が低下するケースを見出したが、その原因の特定には至らなかった。これにより、一部の実験は進行が遅れるものの、原因をしっかり解明しておくことは、今後、様々な目的にこの技術を展開する上で、非常に重要であり、問題点を発見できたことはむしろ望ましいことだと考えられる。 またテーマ1、テーマ2とも、分担者と進めていたマウスの樹立とイメージング結果の取得が予定以上に順調に進んでいるが、その一方、テーマ3のみは、光音響機器の問題で、実験の実施が難しく、準備は完了できたものの、今後の巻き返しが必要である。 以上の状況を総合的に判断すれば、当初の予定よりやや早めに進行しており、概ね順調であると判定できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 薬剤によって制御可能な時間ウインドウ設定技術の開発 1-1.分解制御できるTetDeg-iRFPプローブ:これまでに開発したプローブの詳細な性情の解析を進めたところ、誘導効率が著しく低下するケースを見出したので、本年はその原因を探り、より汎用性の高いプローブへの改良を試みる。 1-2. 分解制御系を応用したモデルマウスの開発:昨年度、1-1で開発した分解制御タンパク質を発現するイメージングマウスが複数系統できてきているので、本年度は、これらの発現解析を進め、イメージング実験に活用できるものを選別し、最終的なモデルマウスを樹立する。また並行してiRFPの免疫学的拒絶の回避方法の詳細なメカニズムを解明できたので、本年度は、これを応用したより高度な実験手法を確立する。さらに、分担者と進めている免疫イメージングのモデルマウスも樹立できてきたので、拒絶との組み合わせで詳細な解析を進める。 2. 発光・蛍光デュアル技術の開発と応:昨年度、研究分担者と進めていた血管系イメージングに蛍光・発光をデュアルに解析できるプローブを応用した成果が出たので、これをさらに近赤外化するテーマを追加して実施する。また、予定の低酸素領域イメージングのための蛍光・発光デュアル細胞株を昨年度に樹立できたので、今年度はこれを実際に移植して、イメージング実験を実施し、低酸素領域の定量性について検討を進める。必要に応じて、さらなるプローブの改良を行い、高感度化を、また異なる波長特性のプローブも開発して、マルチ解析の手法についても検討する。 3. 光音響イメージング技術の確立:十分に進められなかったこのテーマについて、今年度は遅れを取り戻すため、複数のiRFPの中からの選択と具体的な光音響計測を進める。
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Research Products
(7 results)