2016 Fiscal Year Annual Research Report
HLAハプロタイプの壁を越えた個の癌免疫医療の創成
Project/Area Number |
15H04308
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岸 裕幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 龍彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
村口 篤 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TCR / 抗腫瘍効果 / 腫瘍浸潤リンパ球 / HLA / ハプロタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでに抗原特異的単一T細胞より、迅速・高効率に抗原特異的T細胞受容体(TCR)を取得する方法を開発してきた。本研究では、その方法をさらに発展させ、HLAのハプロタイプに関係なく、がんに特異的なTCRを、迅速・確実に取得・作製する技術を確立することを目的とする。平成27年度は、担癌マウスモデルを用いて、腫瘍浸潤CD8+ T細胞のTCRを解析し、腫瘍内でクローナルに増殖しているT細胞のTCRを取得した。平成28年度は、そのTCR cDNAをマウスT細胞に遺伝子導入し、発現させ、そのT細胞が抗腫瘍効果を示すかを検討した。まず、in vitroにおいて、取得TCRを発現させたT細胞と腫瘍細胞を共培養すると、約7割のTCRが腫瘍細胞と反応し、IFN-γの分泌が誘導された。さらに、腫瘍細胞に反応し、IFN-γの分泌を誘導したTCRを導入したT細胞がin vitroにおいて腫瘍細胞に対して細胞傷害活性を示すことを見出した。次に、in vitroにおいて強い抗腫瘍効果を示す2つのTCRを選択し、そのTCRを発現させたT細胞を作製した。マウスの腫瘍細胞肺転移モデルを用い、取得TCRを発現させたT細胞をマウスに投与することで、腫瘍の肺への転移が抑制されるかを解析した。その結果、in vitroにおいて抗腫瘍効果を示したTCRが、in vivoにおいても抗腫瘍効果を示すことがわかった。現在、がん患者の腫瘍浸潤T細胞のTCRも解析しており、同様にクローナルに増殖しているCD8+ T細胞を見出し、そのTCRを取得している。今後、その抗腫瘍効果を解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初申請した計画通りに進んでいる。マウスの腫瘍浸潤リンパ球より、腫瘍特異的T細胞のTCRを取得し、そのTCRを発現させたT細胞がin vivoにおいて抗腫瘍効果を示すことができた。今後、ヒトの系においても腫瘍特異的T細胞のTCRを取得できることを示すことができれば、100%の達成度となる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、がん患者の腫瘍浸潤リンパ球中からも、クローナルに増殖しているCD8+ T細胞のTCRを取得することができている。今後、このTCRを導入したT細胞が抗腫瘍効果を示すかを解析していく予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Association Between High-Avidity T-Cell Receptors, Induced by α-Fetoprotein-Derived Peptides, and Anti-Tumor Effects in Patients With Hepatocellular Carcinoma2017
Author(s)
Nakagawa H, Mizukoshi E, Kobayashi E, Tamai T, Hamana H, Ozawa T, Kishi H, Kitahara M, Yamashita T, Arai K, Terashima T, Iida N, Fushimi K, Muraguchi A, Kaneko S
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Journal Title
Gastroenterology
Volume: 152
Pages: 1395-1406
DOI
Peer Reviewed
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