2017 Fiscal Year Annual Research Report
Activation mechanism of ubiquitin ligase parkin by PINK1 and phosphorylated ubiquitin
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15H04342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅瀬 謙治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00300822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Parkin / PINK1 / リン酸化ユビキチン / 動的構造 / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
human Parkinの発現ベクター作製:発現タグとしてHis-SUMOとGSTを用いてParkinの酵素反応の活性化部位を含むR0RBR領域の発現ベクター(pET21a)を作製した。 発現条件検討:His-SUMO-R0RBRのベクターを用いて大腸菌発現系おけるLB培地での発現、可溶化条件の検討を行った。条件として、培地の量(エアレーション)、発現誘導の温度、O.D.600、IPTG、ZnCl2及び破砕buffer中のNaClの濃度について検討した。Niアフィニティクロマトグラフィーによる精製とウェスタンブロッティングにより目的タンパク質の発現および可溶化を確認した。次に、安定同位体標識試料を発現させるM9最小培地で可溶化条件の検討を行った。その結果、不溶性画分において発現が確認でき発現量を増加させることはできたが、検討した条件においては可溶性画分として得られなかった。 巻き戻しによる精製:M9培地において天然状態のParkinを得ることが困難であったため、不溶性画分に発現したタンパク質を天然構造に巻き戻すことを試みた。M9培地で発現させた凝集体タンパク質をグアニジン塩酸塩溶液によって変性し、アフィニティクロマトグラフィーによって精製した。次に、透析法により段階的に変製剤である尿素の濃度を下げ、最終的に除去することでタンパク質の巻き戻しを行った。その後、ゲル濾過クロマトグラフィーによる精製操作とSDS-PAGE による確認を行った。その結果、ゲル濾過クロマトグラフィーでは分子サイズの異なる2つのタンパク質溶液が得られ、SDS-PAGEではともに目的タンパク質の分子量付近にバンドを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Parkinは、LB培地では可溶性画分に発現するが、NMR実験用の安定同位体標識試料を調製するためにM9最小培地を用いると、不思議な事に不溶性画分に発現する。かなりの条件を検討したが、M9培地の場合、可溶化画分にParkinは発現しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
M9培地でParkinを可溶性画分に発現させることは諦めたが、不溶性画分のものをリフォールディングできそうなことが分かってきた。本年度は、まずはこのリフォールディングで得られたParkinの酵素活性を調べ、正しい活性が見られれば、NMRの動的構造解析に進む。これまでParkinの場合は、NMR試料が得られていないが、他のタンパク質で様々な動的構造解析を実施し、その測定から解析までのパイプラインを確立した。そのため試料さえできれば速やかにデータが得られることが期待される。
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Research Products
(4 results)