2016 Fiscal Year Annual Research Report
新型の翻訳後修飾“ポストリン酸糖鎖”の全構造・修飾機序・病態生理的意義の解明
Project/Area Number |
15H04352
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金川 基 神戸大学, 医学研究科, 講師 (00448044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野坂 友紀 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60432639)
山口 芳樹 国立研究開発法人理化学研究所, 主任研究員研究室等, チームリーダー (90323451)
永森 收志 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90467572)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖鎖生物学 / 筋ジストロフィー / リビトールリン酸 / フクチン / ジストログリカン |
Outline of Annual Research Achievements |
新型の翻訳後修飾体として最近発見された“ポストリン酸糖鎖”は、その異常が筋ジストロフィーや精神発達遅滞などの疾患に直結することから、生体において重要な役割を担っていると考えられる。しかし、その構造、修飾機序、生理機能について不明な点は多い。本研究では、ポストリン酸糖鎖の構造全貌と修飾に関わる酵素活性を決定し、その生理的・病的意義を解明することを目的とする。本計画において我々は、ポストリン酸糖鎖の中に、哺乳類ではこれまで見出されていない糖鎖ユニット「リビトールリン酸」が二つ連なったタンデム構造として存在していることを発見した。また、筋ジストロフィー原因遺伝子産物のひとつISPDが、リビトールリン酸の糖供与体であるCDP-リビトール合成酵素であることを見出した。更に、福山型筋ジストロフィーの原因遺伝子産物フクチンと、肢帯型筋ジストロフ ィー2Iの原因遺伝子産物のFKRPが、リビトールリン酸を順に糖鎖に組み込む糖転移酵素であることを発見した。一方で、このリビトールリン酸がどのようにリガンド結合性の糖鎖と連携しているかは明らかではなかった。
本年度は、筋ジストロフィー原因遺伝子のひとつTMEM5が、リビトールリン酸にキシロースを転移する糖転移酵素であることを発見し、更に、リビトールリン酸とリガンド結合性を結ぶ連携部分の構造を明らかにした。以上の成果から、長年の課題であったポストリン酸糖鎖構造の全容が世界に先駆けて明らかになり、その修飾機序も解明された。以上の結果は、筋ジストロフィーがリビトールリン酸糖鎖の生合成不全によって発症するという新たな病態機序の存在を示し、新たな治療法開発の道を拓くものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度目までの目標であったポストリン酸糖鎖構造と修飾機序の全容解明に成功した。糖鎖機能解析についても順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はポストリン酸糖鎖欠損モデルを用いて、糖鎖の生理機能を明らかにしていく。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] The muscular dystrophy gene TMEM5encodes a ribitol β1-4 Xylosyltransferase required for the functional glycosylation of dystroglycan.2016
Author(s)
Manya, H., Yamaguchi, Y., Kanagawa, M., Kobayashi, K., Tajiri, M., Akasaka-Manya, K., Kawakami, H., Mizuno, M., Wada, Y., Toda, T., and Endo, T.
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Journal Title
J. Biol. Chem
Volume: 291
Pages: 24618-24627
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Carbohydrate-binding domain of the POMGnT1 stem region modulates O-mannosylation sites of α-dystroglycan.2016
Author(s)
Kuwabara, N., Manya, H., Yamada, T., Tateno, H., Kanagawa, M., Kobayashi, K., Akasaka-Manya, K., Hirose, Y., Mizuno, M., Ikeguchi, M., Toda, T., Hirabayashi, J., Senda, T., Endo, T., Kato, R.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA.
Volume: 113
Pages: 9280-9285
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Identification of a post-translational modification with ribitol-phosphate and its defect in muscular dystrophy: Roles of ISPD, fukutin, and FKRP in alpha-dystroglycan glycosylation2016
Author(s)
Kanagawa, M., Kobayashi K., Tajiri M., Manya H., Kuga A., Yamaguchi Y., Wada Y., Endo T., Toda T.
Organizer
New Directions in Biology and Disease of Skeletal Muscle Conference
Place of Presentation
オーランド
Year and Date
2016-06-29 – 2016-07-02
Int'l Joint Research
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