2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and regulation of protein aggregation in complicated cellular systems
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15H04362
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 祐児 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (40153770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 一正 近畿大学, 先端技術総合研究所, 准教授 (10403015)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 脳神経変性疾患 / 生体分子 / 蛋白質凝集 / アミロイド線維 / 過飽和 / 溶解度 / 相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蛋白質の蛋白質凝集を原理的に理解することにより、蛋白質研究の基盤を大きく広げる。最終年度である平成29年度は以下の実績をあげた。 (1)アミロイド線維とアモルファス凝集の競争的形成:昨年に引き続きβ2ミクログロブリンやニワトリ卵白リゾチームを材料として、フォールディングとアミロイド凝集、アモルファス凝集を全て含めた蛋白質の構造安定性の熱力学的および速度論的機構の一般性を確立することを目指した。特にβ2ミクログロブリンについては、塩濃度と温度効果を詳細に調べ、塩濃度と温度に依存した構造状態の相図を作成した。これにより、蛋白質凝集の包括的な機構を示した。 (2)ポリリン酸による蛋白質凝集とアミロイド線維形成の促進:昨年に続き、ポリリン酸の凝集促進効果を研究した。β2ミクログロブリンやαシヌクレインのアミロイド形成を強く促進することを示すと共に、静電的な機構と、塩析効果の2種類の機構によって起きることを示した。 (3)オバルブミンの凝集機構:ニワトリ・オバルブミンをトリプシン分解することにより23アミノ酸残基からなるアミロイド性ペプチドpOVAを得た。pOVAを化学合成したところ極めて強いアミロイド性を示した。オバルブミンはセルピンファミリーの属するが、pOVA領域の高いアミロイド性は、セルピンファミリーに一般的なことを示した。セルピンファミリー蛋白質は、ドメインスワップによりポリマーを形成することが知られており、アミロイドとセルピンポリマーとが関係することが示唆された。 (4)断片ペプチドのアミロイド線維形成:昨年に続き、β2ミクログロブリンの断片ペプチドK3の線維形成に対する他のペプチドや全長β2ミクログロブリンの阻害効果を調べた。以上をもとに蛋白質凝集が、「溶解度」、「過飽和」、「結晶性およびガラス性状態の区別」によって、原理的かつ包括的に理解できることを示した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)