2015 Fiscal Year Annual Research Report
植物ゲノムにおける遺伝子内トランスポゾンのエピジェネティック制御
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15H04405
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
佐瀬 英俊 沖縄科学技術大学院大学, 植物エピジェネティクスユニット, 准教授 (70510006)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / トランスポゾン / 植物ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題:植物ゲノムにおける遺伝子内トランスポゾンのエピジェネティック制御 動植物を含む真核生物のゲノムの大部分はトランスポゾンなどのリピート配列によって形成されており、その一部は遺伝子内に挿入されている。遺伝子配列へのトランスポゾン挿入は一般に遺伝子機能の阻害をもたらすが、我々はこれまでの研究から生物がこうした遺伝子内トランスポゾンをマスクして正常な遺伝子発現を保証するエピジェネティックな機構を進化させてきたことを見いだしている。本研究課題ではシロイヌナズナを含む植物ゲノムにおいて遺伝子内トランスポゾンがどう認識され、制御されているのかを実験的手法と生物情報学的手法を用いて明らかにすることを目指している。 平成27年度は申請書に挙げた課題の一つである「遺伝子間領域と遺伝子領域でトランスポゾンはどのように分布・構成が違うのか?」という問題にたいして、モデル植物のシロイヌナズナゲノムを解析することでアプローチした。結果、遺伝子間領域、遺伝子内のエキソン、イントロンでのトランスポゾンの挿入の違いと、DNAメチル化、ヒストン修飾の状態などが我々の研究から初めて明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の1つであった「遺伝子間領域と遺伝子領域でトランスポゾンはどのように分布・構成が違うのか?」という問題にたいして解析をこころみ、興味深い結果を得ることができた。これらの成果は論文として発表することができた(Le et al 2015)。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り遺伝子内に挿入された転移因子とそれを制御するエピジェネティック機構についての解析をすすめる。具体的にはシロイヌナズナ、イネゲノムなどをもちいて遺伝子内転移因子のヘテロクロマチン状態の解析や、種内多型についての解析を進める。またIBM2と呼ぶ因子の分子メカニズムについての解析も進める予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A Stress-Activated Transposon in Arabidopsis Induces Transgenerational Abscisic Acid Insensitivity.2016
Author(s)
Ito H, Kim JM, Matsunaga W, Saze H, Matsui A, Endo TA, Harukawa Y, Takagi H, Yaegashi H, Masuta Y, Masuda S, Ishida J, Tanaka M, Takahashi S, Morosawa T, Toyoda T, Kakutani T, Kato A, Seki M.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 6
Pages: 23181
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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