2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H04429
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 美知夫 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30322647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 将喜 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (10447922)
座馬 耕一郎 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (50450234)
伊藤 詞子 京都大学, 野生動物研究センター, 特任研究員 (60402749)
井上 英治 東邦大学, 理学部, 講師 (70527895)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | チンパンジー |
Outline of Annual Research Achievements |
おもに東アフリカ、タンザニア共和国マハレ山塊国立公園において、研究分担者、研究協力者らが野生チンパンジーM集団を対象とした野外調査を継続した。メスの社会性を理解する上で欠かせない、遊動パーティサイズ、アソシエーション相手、遊動場所、社会交渉などについての基礎データの収集を継続したとともに、食物分配、育児集団の形成、子守り行動など、より直接的に協力と関係する事例については全生起サンプリングで可能な限りデータを収集した。 国内ではこれまでに蓄積されているアナログデータ(紙媒体・フィルム媒体のデータ)をデジタル化する作業を進めた。マハレは日本人チームが50年以上研究を継続してきた調査地であり、メス間関係が長いタイムスパンの中でどのように変化してきたのかをこうした過去のデータも含めることで考察することが可能になる。 こうして蓄積されてきた長期データを基にして、2019年度にはマハレのチンパンジーの狩猟行動の経年変化を調べた論文を国際学術誌に掲載することができた。46年間のデータを分析した結果、その初期の頃には、ワカモノオスやオトナオスが狩猟をし獲物となるアカコロブスも一度に一頭捕獲することが大部分であったが、次第に複数頭の獲物を同時に狩猟するようになり、オトナメスの参加も増加していく、といった傾向が示された。集団での狩猟は狭義の意味では「協力」とは言えないといった議論もあるものの、複数頭のチンパンジーが同時におこなう行動行動であり、こうした行動で時代による変化があることを初めて示すことができたのは興味深い。 これに加えて、メス同士の挨拶行動、出自集団に居残って出産したメスの子の父子判定、メスたちやその子らの遊びを中心とした社会的ネットワークの分析等をおこない学会発表をおこなった。これらの結果は、現在さらなる分析を加え、論文執筆中である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)
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[Book] 極限―人類社会の進化2020
Author(s)
河合香吏(編)(中村美知夫、伊藤詞子 分担執筆)
Total Pages
586
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
9784814002542
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