2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムシャッフリングによるトビイロウンカ高度抵抗性イネの開発
Project/Area Number |
15H04438
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安井 秀 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70220142)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 正哉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上席研究員 (00370619)
山形 悦透 九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (00600446)
藤田 大輔 佐賀大学, 農学研究院, 准教授 (80721274)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | イネ / トビイロウンカ / 耐虫性 / ゲノムシャッフリング / 複交雑 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下の3小課題で構成する. (1)ゲノムシャッフリングによるトビイロウンカ高度抵抗性系統の作出: インドおよびスリランカ産の在来品種Ptb33 (Ptb), Balamawee(BM), Rathu Heenati(RH)の3品種は, 東南アジアのトビイロウンカ生息域中で最も加害力が強いとされるベトナム南部の個体群に対しても持続的な抵抗性を保持している.これら3品種が保有するトビイロウンカ抵抗性アリルを集積し,さらに優良品種の特性をあわせもったゲノム構成をもつ個体を作出するために,まずこれら3品種と台中65号との雑種F1を準備した. (2)トビイロウンカ高度抵抗性に関与する未知のゲノム領域の特定:在来品種とT65とのF1を準備した. 在来品種による戻し交雑(Ptb33/T65//Ptb33)を実施して. 戻し交雑F1集団を育成し、抵抗性検定を実施した. (3)既知のトビイロウンカ抵抗性遺伝子の4遺伝子集積効果の検証:4つの染色体領域に関する6種類のNILを準備した .4つの染色体の抵抗性遺伝子座に関する遺伝子集積系統作出のための交配を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は以下の3小課題で構成されており、概ね順調に進展している。理由は以下の通りである。 (1)ゲノムシャッフリングによるトビイロウンカ高度抵抗性系統の作出: 東南アジアのトビイロウンカ生息域中で最も加害力が強いとされるベトナム南部の個体群に対して持続的な抵抗性を保持しているインドおよびスリランカ産の在来品種Ptb33 (Ptb), Balamawee(BM), Rathu Heenati(RH)の3品種が保有するトビイロウンカ抵抗性アリルを集積し, 優良品種の特性をあわせもったゲノム構成をもつ個体を作出するために, これら3品種と台中65号との雑種F1を準備できたため。 (2)トビイロウンカ高度抵抗性に関与する未知のゲノム領域の特定:在来品種による戻し交雑(Ptb33/T65//Ptb33)を実施して. 戻し交雑F1集団を育成し、抵抗性検定を実施することが実現したため。 (3)既知のトビイロウンカ抵抗性遺伝子の4遺伝子集積効果の検証:4つの染色体領域に関する6種類のNILを準備し、4つの染色体の抵抗性遺伝子座に関する遺伝子集積系統作出のための交配を実施できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は以下の3小課題で構成する. (1)ゲノムシャッフリングによるトビイロウンカ高度抵抗性系統の作出:インドおよびスリランカ産の在来品種Ptb33 (Ptb), Balamawee(BM), Rathu Heenati(RH)の3品種と感受性品種のF1同士の複交雑ならびにF1と台中 65号との三系交雑を実施した上で, さらに複交雑を実施しF2相当個体を得る.上記系統について世代促進を開始する。 (2)トビイロウンカ高度抵抗性に関与する未知のゲノム領域の特定:在来品種による戻し交雑(Ptb33/T65//Ptb33)F1集団のQTL解析を実施し、後代検定等によりゲノムワイドな遺伝子マッピングを実施する。 (3)既知のトビイロウンカ抵抗性遺伝子の4遺伝子集積効果の検証:4つの染色体の抵抗性遺伝子座に関する遺伝子集積系統作出のための分離集団を育成し、マーカー選抜により遺伝子集積個体を選抜する。
|