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2016 Fiscal Year Annual Research Report

RubiscoのC4化によるイネの光合成能力の改良

Research Project

Project/Area Number 15H04443
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

深山 浩  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60373255)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松村 浩由  立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324809)
谷口 洋二郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (50462560)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords光合成 / 二酸化炭素 / 酵素 / イネ
Outline of Annual Research Achievements

ソルガムRbcS高発現形質転換イネのイネRbcSをCRISPR/Cas9法によりノックアウトすることを試みた.イネRbcSは4つの遺伝子(OsRbcS2-5)が存在し,塩基配列の保存性が高い領域を用いてCRISPR/Cas9のターゲット配列を設計し,ソルガムRbcS高発現形質転換イネに導入した.SDS-PAGEによるRbcSの発現解析を行ったところ,イネRbcSのバンド強度が明らかに低下した系統が複数得られた.塩基配列を解析したところ,系統によりOsRbcS2-5の遺伝子が様々なパターンで変異導入されていることがわかった.3つのRbcSがホモで欠失した系統を得ることができたが,4つ全てが欠損した系統を得ることはできなかった.
ギニアグラス,ネピアグラスからRbcSをクローニングし,イネへの遺伝子導入を行った.形質転換イネのRbcSの発現レベルをSDS-PAGEで解析したところ,導入したRbcSの発現レベルは最大でイネRbcSの30%程度であった.導入したRbcSの発現レベルが多少低いと考え,導入した遺伝子をホモ化した後代を生理解析に用いることとし,育成中である.
多収で光合成能力も高い日印交雑品種であるタカナリ,モミロマンにソルガムRbcSを導入した.タカナリでは3系統,モミロマンでは多数のソルガムRbcSを高発現する形質転換イネが得られ,ホモ系統の選抜を行った.
RbcSがほぼ全てソルガムRbcSに置き換わった2重形質転換イネで発現するRubiscoを硫安分画,陰イオン交換クロマトグラフィー,ゲル濾過クロマトグラフィーにより精製した.また硫酸イオン存在下で,ハンギング・ドロップ蒸気拡散法により結晶化を行い,X線結晶構造解析を行った.2重形質転換イネのX線結晶構造が明らかとなった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1-2年目は新しい形質転換体の作出を行った.CRISPR/Cas9法がイネでも可能となったため,2年目よりCRISPR/Cas9法によるイネRbcSのノックアウトを行うことに計画を変更した.今回CRISPR/Cas9に用いたターゲット配列で,イネが持つ4つのRbcSを全て欠失させることが可能であることがわかった.現在のところ,4つのうち3つを欠損した系統を得ることができている.タカナリ,モミロマンへのソルガムRbcSの導入は,効率は低いが形質転換イネは得られており,ホモ系統の選抜に進んでいる.材料づくりに時間がかかっているが,着実に研究は進んでいる.
X線結晶構造解析に関しては,2重形質転換イネで発現するRubiscoについては,おおよそ解析が終了した.比較のための非形質転換イネやソルガムのRubiscoについても解析を進めている.研究は予定通り進んでいる.

Strategy for Future Research Activity

計画通りに研究を進めていくつもりである.CRISPR/Cas9法によるイネRbcSのノックアウトでは,4つのイネRbcSが欠失した系統を得ることが出来ていない.我々が用いているCRISPR/Cas9システムは細胞分裂が活発なカルスの段階で変異の導入が起こりやすいことがわかっている.そこで,3つのRbcSを欠失した系統からカルスを誘導して再分化個体を得ることにより,4つのイネRbcSが欠失した系統を得ることを試みる.
ソルガムRbcSを高発現するタカナリ,モミロマンに関しては,光合成特性を解析する.また,CRISPR/Cas9コンストラクトの導入も進める.
ギニアグラス,ネピアグラスのRbcSを高発現する形質転換イネに関しては,光合成特性,Rubisco酵素特性の解析を行う.
X線結晶構造解析については,引き続きRubiscoの精製,結晶化,構造解析を行い,データの精度を高める予定である.CRISPR/Cas9法により4つのイネRbcSを欠失した系統を得ることが出来れば,その系統で発現するRubiscoの結晶構造についても解析する.

  • Research Products

    (5 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Identification and expression analysis of non-photosynthetic Rubisco small subunit, OsRbcS1-like genes in plants2016

    • Author(s)
      Morita K., Hatanaka T., Misoo S., Fukayama H.
    • Journal Title

      Plant Gene

      Volume: 8 Pages: 26-31

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.plgene.2016.09.004

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Starch content in leaf sheath controlled by CO2-responsive CCT protein is a potential determinant of photosynthetic capacity in rice2016

    • Author(s)
      Morita R., Inoue K., Ikeda K., Hatanaka T., Misoo S., Fukayama H
    • Journal Title

      Plant Cell Physiology

      Volume: 57 Pages: 2334-2341

    • DOI

      https://doi.org/10.1093/pcp/pcw142

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] マイクロアレイ法によるOsRbcS1発現抑制イネの遺伝子発現プロファイリング2017

    • Author(s)
      日本作物学会 第243回講演会
    • Organizer
      日本作物学会第243回講演会
    • Place of Presentation
      東京大学農学部
    • Year and Date
      2017-03-30 – 2017-03-30
  • [Presentation] CO2 応答性 CCT タンパク質 CRCT はイネ栄養器官のデンプン合成制御に働く2017

    • Author(s)
      森田隆太郎, 深山浩
    • Organizer
      日本作物学会第243回講演会
    • Place of Presentation
      東京大学農学部
    • Year and Date
      2017-03-30 – 2017-03-30
    • Invited
  • [Presentation] Functional analysis of OsRbcS1, a non-photosynthetic small subunit that increases the catalytic turnover rate of Rubisco in rice.2016

    • Author(s)
      Morita K., Hatanaka T., Misoo S., Fukayama H.
    • Organizer
      The 17th International Congress on Photosynthesis Research
    • Place of Presentation
      MECC Maastricht, Maastricht, The Netherlands
    • Year and Date
      2016-08-07 – 2016-08-12
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-01-16  

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