2017 Fiscal Year Annual Research Report
多様なレセプターが関与する芳香族化合物の新規外膜輸送システム
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15H04473
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| Research Institution | Nagaoka University of Technology |
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Principal Investigator |
政井 英司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (20272867)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城所 俊一 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80195320)
笠井 大輔 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80452085)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | リグニン由来化合物 / 外膜輸送 / Sphingobium |
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| Outline of Annual Research Achievements |
TonB-dependent receptor (TBDR)であるTbtAによるDDVAの外膜輸送に必要なTonB複合体 (TonB-ExbB-ExbD)の同定を行った。SYK-6株は6つのtonB、2つのexbB、3つのexbDを有しており、tonB2-tonB6、exbB2、exbD3の破壊株を取得している。各破壊株のDDVA取り込み能を測定した結果、少なくともTonB5、TonB6およびExbB2の関与が示唆された。
TBDRは膜貫通部位であるバレルドメインと、その内部空間を埋めるプラグドメインで構成される。TBDRのプラグドメイン中には、TonBのC末端ドメインとの相互作用部位であるTonBボックスが存在することが知られている。TbtAと相互作用するTonBを明らかにするために、TbtAのプラグドメインおよびTonB1-TonB6のC末端ドメインを大腸菌で発現させた。現在、TbtAのプラグドメインおよびTonB3とTonB4のC末端ドメインの精製標品を取得している。
TbtAの推定TonBボックス中のアミノ酸を変異させた発現プラスミドを作製した。各プラスミドをSYK-6株のtbtA破壊株に導入し、DDVAでの生育能とDDVA取り込み能を調べた。その結果、変異tbtA導入株はDDVAでの生育能と取り込み能が顕著に低下し、TonBボックス中のこれらアミノ酸がTonBとの相互作用に重要であることが示唆された。
TbtAが種や属を越えて他の菌のTonB複合体と相互作用できるのかを明らかにするために、Sphingobium japonicum UT26S株を宿主に用いて、SYK-6株のDDVA内膜トランスポーター遺伝子であるddvKを発現させた。その結果、ddvK導入UT26S株はDDVA取り込み能を獲得したことから、本株がDDVAを輸送可能な外膜輸送体を有することが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにTbtAがDDVAの外膜輸送体であり、内膜に局在するTonB複合体 (TonB-ExbB-ExbD)の成分の内、少なくともTonB5、TonB6およびExbB2がDDVAの外膜輸送に関与することが示唆された。既にin vitroでのTbtAと全てのTonBとの相互作用を解析するために必要なTbtAプラグドメインと複数のTonB C末端ドメインの精製標品を取得しており、残る期間でTbtAと実際に相互作用するTonBを明らかにすることが可能と考えられる。またtbtAの異種宿主発現については必要な発現プラスミドを既に構築し、DDVA取り込みのアッセイ系も構築しているため、複数の宿主での評価が可能である。
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| Strategy for Future Research Activity |
DDVA外膜輸送体であるTbtAが実際に相互作用するTonBを明らかにするために、6個のTonBのC末端ドメインの精製標品を取得し、TbtAプラグドメインとの相互作用を架橋剤を用いた解析により同定する。さらに、TonBボックスにアラニン変異を導入したTbtAプラグドメイン精製標品を取得し、TonBとの相相互作用にこれらのアミノ酸残基が重要であるかを明らかにする。tbtAの異種宿主発現については、UT26S株以外のSphingomonad科細菌、betaプロテオバクテリアのComamonas属細菌、gammaプロテオバクテリアのPseudomonas属細菌等のグラム陰性菌を宿主に用いて実施する。
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