2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on plant targetting mechanism of soil-borne plant pathogen Ralstonia solanacearum
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15H04478
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 純一 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (90231258)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 走化性 / 青枯病 / Ralstonia solanacearum / 植物感染 / 生物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は複数の走化性リガンドが相乗的な走化性を引き起こすか、相加的な応答につながるかを検討した。植物根浸出液の主要成分である走化性リガンドを試験物質として用いることにした。平成27及び28年度の研究から別個の走化性センサーに感知されることが分かったL-グルタミン酸(McpAが感知)、クエン酸(McpCとMcpPが感知)、L-リンゴ酸(McpMが感知)を選択した。あまりに高濃度であると応答が飽和してしまうので、Ralstonia solanacearum Ps29株のそれぞれの走化性リガンドの応答限界濃度を求めた。ついで、3通りの二成分系および三成分系での走化性応答をコンピュータ支援キャピラリー法で精緻に測定した。得られた結果から、いずれの複数成分の応答も相乗的な応答ではなく、加算的応答を示すという結果になった。本研究では複数成分がある特定の比率で存在する時に相乗的な応答が引き起こされ、それが特定種の植物(感染宿主)への接近を促進するとの作業仮説を持っていたが、R. solanacearumはそれほど「賢い」物質認識システムを有しているわけではないことが示唆された。平成28~29年度の研究からアミノ酸走化性センサー(McpA)やL-リンゴ酸走化性センサー(McpM)、ホウ酸走化性センサー(McpM)の遺伝子をPs29株の全走化性センサー遺伝子破壊株に導入すると当該の走化性が回復することが分かっている。しかし面白いことにMcpPおよびMcpT(D-リンゴ酸センサー)の遺伝子を単独で全破壊株に導入しても走化性の回復は見られず、両者を同時に導入することで走化性は復活することを見出した。この結果から、走化性センサーはホモダイマーで機能するという常識を覆す、「ヘテロダイマー」で機能する走化性センサーの存在が想起された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)