2016 Fiscal Year Annual Research Report
南西諸島地史に基づく固有種リュウキュウマツと菌根菌群集の関係解明
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15H04516
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
寺嶋 芳江 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20521909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 一秀 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60270899)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 南西諸島 / 菌根菌 / リュウキュウマツ / 高島 / 低島 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、沖永良部島、多良間島、宮古島を調査地とし、調査対象とするリュウキュウマツ林に1haの調査地を設定した。調査地で「根入り土壌サンプル(縦5cm×横5cm×深さ10cm)」を各50個ずつ採取すると同時に、バイオアッセイ実験用の同サンプルを別途各50個ずつ採取した。 採取した「根入り土壌サンプル」を水洗しながら、篩を用いて土壌中の菌根を全て取り出し、実体顕微鏡下で菌根の形態的特徴により形態タイプに類別した。各菌根形態タイプから、DNA解析用の菌根サンプルを選び、各形態タイプの菌根からDNAを抽出した。 アッセイ試験は以下のとおり行った。採取した「根入り土壌サンプル」から根を除き、これにリュウキュウマツ実生苗を生育させた。胞子から苗に菌根菌を感染させ、実験開始後6か月目に苗を採取して細根に形成された菌根を形態タイプに類別した。次いで、各形態タイプの菌根サンプルからDNAを抽出した。これらと同時に各土壌を滅菌した処理区(滅菌区)を設けることにより、栽培期間中の空気感染による菌根菌感染の有無をチェックした。非滅菌区と滅菌区との実生苗の成長を比較し、菌根形成による実生の成長への影響について調べた。 成木菌根およびバイオアッセイ実験から得られた菌根サンプルからCTAB法によってDNAを抽出し、rDNAのITS領域をPCR増幅した。増幅産物を精製した後、シーケンスによって塩基配列を決定した。GenBankやUNITEなどの塩基配列データベースと比較し、菌種を同定し、主要な菌種については他の保存されたDNA領域(LSU, RPB2など)についてもシーケンスを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、平成29年3月までに予定していたアッセイ試験を平成29年7月以降に実施できたことにより、期待していた結果を出すことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに採取した土壌サンプル中の菌根菌の解析データ、およびアッセイ試験によるデータを取りまとめる。
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Research Products
(1 results)