2015 Fiscal Year Annual Research Report
原発事故後の潮間帯生物相の変化と放射性核種による影響評価
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15H04537
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
堀口 敏宏 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 室長 (30260186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 元 鹿児島大学, 水産学部, 准教授 (00554263)
児玉 圭太 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 主任研究員 (90391101)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イボニシ / 潮間帯 / 無脊椎動物 / 放射性核種 / 化学物質 / 急性影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
茨城県の神栖市波崎海水浴場と日立市久慈浜漁港、福島県の富岡町富岡漁港、大熊町夫沢(1Fの南側約1 km)、双葉町久保谷地(1Fの北側約1 km)、南相馬市小高区浦尻、及び宮城県の石巻市渡波漁港の7地点において、2015年5月~6月に50cm×50cmの方形枠を用いた付着生物調査を行った。各地点で鉛直方向に3箇所(潮下帯~潮間帯下部、潮間帯、潮間帯上部~潮上帯)で付着動物群集を採集し、種数、種別の個体数と湿重量を調べた。種数、個体数密度及び重量密度の多寡は、総じて、2013年度及び2014年度と類似の結果であった。 また、イボニシの棲息状況の観察のため、2015年4月に楢葉町山田岡、下繁岡及び波倉浜畑、富岡町毛萱浜畑と富岡漁港、大熊町小入野と夫沢(1Fの南側約1 km)、双葉町久保谷地(1Fの北側約1 km)と双葉海水浴場、浪江町棚塩本町及び南相馬市小高区浦尻の11地点において現地調査を行った。また、イボニシの産卵状況の観察のため、2015年7月~9月初旬にかけて福島県の富岡町毛萱浜畑と富岡漁港、大熊町夫沢(1Fの南側約1 km)、双葉町久保谷地(1Fの北側約1 km)と双葉海水浴場、南相馬市小高区浦尻の6地点において現地調査を行い、個体群密度(単位時間当りの採集個体数)及び殻高組成を解析するとともに、生殖巣組織標本を作製して性成熟について組織学的に調べた。その結果、楢葉町の1地点(下繁岡)と大熊町の1地点(夫沢の水産種苗研究所)では依然としてイボニシが採集されなかったが、他の9地点ではイボニシが採集された。また、富岡町富岡漁港から双葉町久保谷地の範囲では、依然、イボニシの産卵が確認されなかった。 イボニシに対するCs-137およびSr-90の曝露実験を行うとともに、TUNEL法などによるアポトーシス細胞検出および判定に関する予備的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、当初の計画通りに研究が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、イボニシ個体群及び潮間帯無脊椎動物(付着生物)群集に関する現地(野外)調査と、イボニシを用いた室内実験を並行して進める。無脊椎動物(イボニシ)のアポトーシスに関する解析・評価を多角的に進める。
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