2016 Fiscal Year Annual Research Report
農業構造変動に関する総合的研究-センサス分析と実態調査分析の接合-
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15H04554
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 光義 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40261747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 邦夫 茨城大学, 農学部, 准教授 (00726820)
品川 優 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10363417)
渡部 岳陽 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (10371014)
伊庭 治彦 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70303873)
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 農業構造 / センサス / 集落営農 / 農地中間管理機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年センサスの公開に伴い、今年度は全国レベルのセンサス分析を行い、分析結果をいくつかの雑誌論文に公表した。2010年センサスにおける農業組織経営体の急増は2007年の品目横断的経営安定対策に対応するための集落営農の設立の影響であったことが改めて確認されるとともに、そうした勢いは弱まり、経営耕地面積の減少も進んでいることが明らかとなった。また、大規模経営への農地集積率の地域差は拡大しており、農業構造変動の地域差が広がっていることも判明した。このことは地域別のセンサス分析がますます求められていることを意味する。 農業構造変動に影響を与える農地政策について、農地中間管理機構の活動に焦点を当てて地域農業の分析を行い、その成果を雑誌論文に公表した。以前から熱心に農地集積に取り組んできたかどうかが実績に大きな影響を与えているというのが分析結果であり、これはセンサス分析で明らかになった農業構造変動の地域差の拡大と一致する。 地域農業の実態については各地域の集落営農の動向について調査を行い、その成果を学会等で報告を行った。設立当初は政策対応型集落営農であった組織が徐々に内実を整えてきている実態や経営体として自立するのが困難な状況にある実態などが明らかになった。また、複数の研究メンバーによる合同調査を大学院生も交えるかたちで香川県において実施した。 2017年度農業問題研究学会春季大会では研究代表者の安藤と連携協力者の橋詰が座長となって「農業構造の現段階と展望―2015年農業センサス分析―」と題するシンポジウムを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年センサスの全国的な分析を行い、その成果を公表するとともに、集落営農の動向に注目した現地実態調査を行い、やはりその成果を公表しており、当初の計画通りに順調に進んでいると判断した。また、申請書に記した大学院生にも参加してもらうかたちの研究メンバー合同での現地調査を香川県で実施することができた。 政策面では農地中間管理機構が果たした役割や限界について調査研究を行い、その成果を公表できた点は、次の2020年センサスの分析につながるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年センサスについてはより詳細な全国レベルの分析を行うとともに、地域レベルでの分析も併せて行うことが今年度の課題である。 この分析結果と現地実態調査とを突き合わせることで農業構造変動の正確な実態を把握することが可能となると考える。 今年度はまとまった中間報告として一般財団法人農政調査委員会が発行している『日本の農業』に研究成果を掲載する予定で準備を進めている。
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Research Products
(27 results)