2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of large-scale earthquake disaster response manual for agricultural and rural field by organization of on-site knowledge
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15H04565
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
有田 博之 新潟大学, 自然科学系, フェロー (40313506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 克己 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (00352518)
服部 俊宏 明治大学, 農学部, 専任准教授 (10276165)
内川 義行 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (20324238)
田村 孝浩 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (20341729)
福與 徳文 茨城大学, 農学部, 教授 (30414436)
中島 正裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436675)
友正 達美 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (80501444)
郷古 雅春 宮城大学, 食産業学部, 教授 (80735910)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 現場知 / 大規模地震災害 / 農業農村整備 / 災害復旧 / BCP / 経験の共有 / 危機管理 / 現場担当者 |
Outline of Annual Research Achievements |
巨大地震に対する事前の備えと発災後の的確な復旧対応を農業・農村分野で効果的に行うための「災害対応マニュアル」作成を目的として、東日本大震災被災地区の事例調査をもとに以下の2点に着目して研究を推進した。①復旧現場で担当者がえた「現場知」を収集・整理し、計画的観点からマニュアルとして提示する、②防災・事業継続計画(BCP)のモデルを提示することによって取り組みの実質化に寄与する。 28年度は、27年度の成果を受けて、以下の4課題を設定して実施するとともに、農業農村工学会全国大会(2016.08.30)において「現場知」の周知・普及を目的として企画セッションを開催し50名程の参加を得た。 課題1:「現場知」に係わる情報を宮城・岩手・福品3県の災害復旧現場経験者からの聞取り及び関連分野報告書のレビューをもとに集約し、200項目以上の個票ドラフトを作成した。聞取り事項の整理は現段階では半数程度にとどまっており、これの進捗が全体の構成と関わるため、当面の集中的課題となっている。課題2:「現場知」個票を分類するための枠組を作成した。時系列的・項目別の整理が現場ではアクセスしやすいということが担当者との議論で明らかになったため、災害発災前対策、発災緊急時対策(発災時の緊急対策・応急復旧等)、発災直後対策(被害状況調査から査定まで)、復旧・復興時対策(設計・発注以降)に大分類し、それぞれに係わった生じた事項を単位に小分類項目を設定した。課題3:BCPの農業農村分野への導入方法を検討すると共に「現場知」を関係づけ、大分類項目「災害発災前対策」の課題を整理し、いくつかの個票を作成した。課題4:「現場知」個票のフォーマット・表紙デザインなどの案を作成し、検討した。現場知の構成に関するドラフトを作成し、協議した。 農業農村工学会・企画セッションは、研究分担者の田村・友正・中島・内川が担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地での聞き取り調査及び資料収集は農林水産省の支援、岩手・宮城・福島3県の協力を得て順調に行うことができ、実施上の障害はなかった。 課題1:「現場知」個票の作成においては項目立てについては概ね進んでいるが、解説に充てる詳細情報の収集が29年度には残されており、やや不安が残る。 課題2:「現場知」個票を分類するための枠組については、基本的な了解を現場担当者・研究分担者の間でえることができたが、小分類項目については個票の作成結果にあわせた再編成が必要となると考えている。 課題3:BCPの農業農村分野への導入方法については市町村担当者の大規模災害へのスタンスに対応した情報提供の方法の可能性について議論が残されている。 課題4:「現場知」個票のフォーマット・表紙デザイン案や現場知の構成に関するドラフトに対する共同研究者間での合意を早い機会に取り付けることが最終年度を迎えるにあたっての課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
巨大地震に対する事前の備えと発災後の的確な復旧対応を農業・農村分野で効果的に行うための災害対応マニュアルを完成させる。このため、29年度においては28年度の成果を受けて以下の4課題を設定して実施するとともに、最終報告に繋げるため、事務局体制を構築し、適宜推進会議を開いて研究の効果的・効率的な推進を図る。 課題1:「現場知」に係わる確認の個票を作成し、宮城・岩手・福島3県の担当者の協力を得てブラシアップを図る。 課題2:「現場知」個票の大分類(災害発災前対策、発災緊急時対策、発災直後対策、復旧・復興時対策)に基づいて、個票の小分類項目を見直し、最終形とする。 課題3:BCPの農業農村分野への導入方法検討をもとに、大分類項目「災害発災前対策」の課題・内容を整理し、個票作成に繋げる。 課題4:「現場知」個票のフォーマット・表紙デザインを確定し、成果品としてまとめる。
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Remarks |
熊本地震(2016.04)からの復旧・復興に資するよう、現段階における農業農村工学技術者のための災害復旧の「現場知」を検索可能な形で提示した。
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Research Products
(19 results)