2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04571
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
後藤 英司 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (00186884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 敬子 (大橋敬子) 玉川大学, 学術研究所, 教授 (50332599)
彦坂 晶子 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (50345188)
石神 靖弘 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 助教 (50361415)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 施設園芸・植物工場 / 人工光 / 紫外線 / 光質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、リーフレタスの生育阻害を起こさずにアントシアニンの蓄積量を高められるUV照射条件(0.2 W m-2以下)を見出した。今年度はこのUV照射条件で生育阻害を起こさずに抗酸化成分の生合成を促進することが可能であるかを調査した。 試験中のPPFDは150および250 μmol m-2 s-1の2水準を設け、UV照射は0.0(対照区)、0.1、0.2 W m-2のUV強度で5日間行った。いずれのPPFDにおいても、試験区間で生育に有意差はみられなかった。UV照射区のアントシアニン濃度、総ポリフェノール濃度および抗酸化能(ORAC値)は、いずれのPPFDでも対照区と比較して大となる傾向がみられた。PPFDが150と250 μmol m-2 s-1で比較すると、PPFDが高いほど、UV照射によるアントシアニン等の抗酸化成分の蓄積の促進効果があった。この理由として、PPFDが高いほど光合成産物量が多くなり、抗酸化成分の生合成に用いられたと考えられた。以上から本試験で用いたUV付加白色蛍光灯では、生育も考慮した上で抗酸化成分の蓄積量を高めるためには、PPFDを250 μmol m-2 s-1としてUV強度を0.2 W m-2で5日間程度育成するのが適すると考えられた。 ところで、前年度と今年度に試験に用いたUV付加白色蛍光灯の照射光のUV組成は、大部分がUV-BとUV-Aでありその割合はUV-Bが2倍ほどである。しかもUV-Cも少し含んでいる。年度末にUV-CをカットしたタイプのUV付加白色蛍光灯を入手したので栽培試験を行ったところ、0.2 W m-2以上でも生育阻害が生じなかった。このことからUV-Cの含有の有無で生育に違いが生じると考えられるため、UV光源の比較検討を次年度の課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UV-Bを含む光源において、UV-Cを含む割合によって、生育が異なることが分かった。これはUV-Cの生育阻害によるものであり、光源の選択が研究成果に影響すると言える。 その点が明らかになったので、次年度は、光源の波長域を詳細に検討する予定である。 植物種間差は大きいため、網羅的に統一的な傾向を把握するのは少し難しそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
UV-Bを含む光源において、UV-Cを含む割合によって、生育が異なることが分かったため、光源の波長域を詳細に検討する予定である。 次年度はほぼ計画通りに行う予定であるが、植物種間差に配慮して植物種の見直を検討している。
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Research Products
(3 results)