2015 Fiscal Year Annual Research Report
生胚内個別染色体動態解析および染色体操作による次世代胚操作技術の確立
Project/Area Number |
15H04605
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 英二 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (80443034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長友 啓明 山梨大学, 総合研究部, 特任助教 (30746813)
若山 照彦 山梨大学, 総合研究部, 教授 (40360672)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発生工学 / 染色体 / ライブセルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
核移植技術は畜産分野だけでなく、絶滅危惧種や絶滅動物の復活等遺伝資源の保存にも重要である。しかしながら、核移植技術により作られたクローン個体はドナー細胞と同一の性であるため、一個体の細胞のみが利用できたとしてもその後の繁殖が不可能である。本研究計画では、初期胚での性転換も目的の一つであり、計画中の初期胚染色体操作には核移植は必須の技術である。そこで平成28年度は、本研究計画で使用予定の核型XOのBDF1系統ES細胞株の核移植を行いクローン個体が作出可能なことを確認した。さらに雌雄のマウス尿中の細胞をドナーとしてクローン個体を作出することに成功し、ドナー個体を傷つけることなくクローン動物が作出可能なことを示した(Mizutani et al. Sci. Rep. 2016)。 年度途中より研究代表者が異動したため、本来行う予定であった細胞または胚の染色体可視化および常染色体の標識、ライブセルイメージングを用いた染色体動態解析をすぐに行うことが困難となった。前述のように本研究計画には核移植技術が必須であるが、異動先ではその実験系が立ち上がっておらず、まず核移植実験系の立ち上げを行わざるを得なくなった。現在は安定してクローン個体が得られるようになったため、今後は計画に従ってライブセルイメージングによる染色体動態解析を行っていく。加えて、本研究計画においては核移植効率の改善が重要な意義を持つため、この点についても検討し、有効な手法を適宜導入して計画を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は年度途中で研究代表者が異動となり、研究環境が変わったため、本来の予定をこなすことが困難となった。しかしながら、本計画に必須かつ重要な核移植技術に関して、初期胚での染色体操作による性転換を行う上で使用を予定していた細胞株からクローン個体が得られることが確認でき、さらに尿細胞からクローン個体作出に成功したことは、本計画で染色体操作が確立された際にターゲットとなる希少個体のクローン作出に対して有用な知見となると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、クローン個体が作出できることが確認されたES細胞株を用いて、初期胚での染色体操作による性転換、染色体操作された胚の個体発生能を検討していく。さらにラベルされた染色体の動態をライブセルイメージングにより解析する予定である。加えて最終年度であるため、これまでのデータをまとめて、論文執筆を行い国際誌に発表する予定である。
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Research Products
(1 results)