2015 Fiscal Year Annual Research Report
核内アクチンファミリーのゲノム安定性維持への寄与解明と結合ペプチドによる機能操作
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15H04625
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 東北大学, 農学研究科, 准教授 (70218642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 邦史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90211789)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNA修復 / エピジェネティック制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA損傷を正確・かつ速やかに修復することは、ゲノムの安定性維持において極めて重要であり、その破綻は細胞のがん化などにつながる。クロマチン構造および核構造を介したエピジェネティックな機構が、DNA損傷の制御に関わっている。これまでに我々は、細胞核内のアクチンファミリーがこのDNA損傷のエピジェネティック制御に関与することを見出してきた。これらは、クロマチンリモデリング複合体の構成因子として、また細胞核の骨格タンパク質として機能すると考えられる。そこで本研究では、次世代の人工抗体として注目されている二重環状ペプチドに注目し、核内アクチンファミリーに結合する二重環状ペプチドのスクリーニングおよび、それを用いた機能解析を行なった。単量体アクチン(G-actin)および重合アクチン(F-actin)をスクリーニングにより、これらのアクチンに対する二重環状ペプチドの候補が得られた。また、Arp5, Arp8などを用いたスクリーニングによって、これらのArpに結合する二重環状ペプチドの候補も取得できた。これらを生きた培養細胞中に導入することを試みた。試薬による導入、電気穿孔法などによる導入を検討し、後者を用いて効率的な導入が行なえることを明らかにした。これらの二重環状ペプチドを導入した細胞の表現形を観察することにより、これらの二重環状ペプチドが細胞の中においても、ターゲットタンパク質に結合すること、またターゲットタンパク質の機能を抑制している可能性があることが示された。今後、さらに二重環状ペプチドの評価を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
細胞核内のアクチン、およびアクチン関連タンパク質に結合する、多くの二重環状ペプチドがスクリーニングによって得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞核内のアクチン、およびアクチン関連タンパク質に結合する二重環状ペプチドの候補が多く取得されているので、これらの評価を継続すると共に、結合が強いものについては、細胞に導入して解析を続ける。
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Research Products
(17 results)