2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア-筋小胞体連関による心臓リズム・エネルギー代謝制御機構の解明
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15H04674
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松岡 達 福井大学, 医学部, 教授 (00263096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 綾子 福井大学, 医学部, 特命助教 (00378704)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / カルシウム / 心臓 / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、正常及び異常心臓リズム発生におけるミトコンドリア-筋小胞体連関のメカニズムと役割を解明することを目的に研究を行う。そのために、in vitro及びin situでの心筋細胞解析と心臓特異的NCLXノックアウトマウス解析を行う。さらに、数理モデル解析によりヒト心臓におけるミトコンドリア-筋小胞体連関の役割を演繹的に予測する。 平成27年度は以下の研究を行った。1)全身NCLXノックアウトマウス、及びCre発現依存的な心臓特異的NCLXコンディショナルホモノックアウトマウスの作成に成功した。また、Creレコンビナーゼ活性化に必要なtamoxifen投与方法について検討した。2)マウスの心臓超音波解析法を確立した。全身NCLXヘテロノックアウトマウスにおいては、心臓超音波解析では有意な変化は見られなかった。また、心電図解析、心拍数測定のための実験装置の整備をした。単離ミトコンドリアを用いてミトコンドリアへのCa取り込みをマイクロプレートリーダで測定する装置及び実験プロトコールを確立した。3)マウス及びヒト心室筋細胞数理モデルの構築に取り組み、マウス心室筋細胞モデルがほぼ完成した。心臓ミトコンドリアの主要な代謝過程を組み込み、膜電位やイオン濃度など生物物理的要素を組み込み込んだ包括的心臓ミトコンドリアモデルが完成し、論文投稿を行った。4)マウス心臓洞房結節の電子顕微鏡解析を行い、洞房結節細胞におけるミトコンドリアと筋小胞体の位置関係、体積比などについて定量的なデータを得た。そして、既存のマウス洞房結節数理モデルに組み込み、ミトコンドリア-筋小胞体間のCaコミュニケーションが洞房結節の発火周期に与える影響を解析した(論文準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NCLXコンディショナルホモノックアウトマウスの作成に成功し、解析を進めることができるようになったこと、及び数理モデル開発・解析が進んだことにより、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り遂行する。特に、全身NCLXノックアウトマウス、及びCre発現依存的な心臓特異的NCLXコンディショナルホモノックアウトマウスの解析を重点的に行う。
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Research Products
(8 results)